FOSTEXの新製品の16cmユニット、FE168NSをコイズミ無線で試聴してきました。
今回は長岡式スピーカーの中でも人気機種の「モアイ」をベースにFE168NSを使い新規設計したものです。
この「モアイ」は長岡式でも珍しい3WAYの本格的モニタースピーカーのことを指します。
オリジナル「モアイ」はFE168Σを使い、インピーダンス4ΩのFW168のウーハーをパラで接続して見掛け上の
能率を上げてアッテーターを使わずレベルを合わせると言う仕掛けになっています。
しかも、フルレンジユニット部はこれだけで単独で使えるようにとウーハー部とは箱を別に作りバスレフの2段構
成となっていると言う特殊なものです。
このFE168Σは現在では廃機種でFE168EΣに置き換わっています。
EΣでなくFE168NSを使ったところがミソで、果たしてモアイの音を聴いたことも無ければ新製品の16cmのS
OLはどのような仕上がりとなったのかと大変興味がありわざわざ出か掛けてみたと言う次第です。
さて、このFE168NSはどのようなスピーカーなのかと色々と噂がありましたが、NSとのネーミングからニュー・
Σか、はたまたニューSOLかと言うことでしたが、どうやらニューSOLようでした。
新規設計の「モアイ」の上段の箱は19リットルのバスレフの箱で16cmとしては大変小型です。 これを下段の2
9リットルのバスレフウーハーシステムで低域を補う構造となっていますが、まずはフルレンジ部単独での試聴で
す。
フルレンジ部にはスーパーツィーターが載っていますがこれも外します。
一聴してハイ上がりな音ですが、なぜかこれはこれで聴けてしまう音が出てきます。
ヘーッと思うようなかなり上質のツィーターを使ったような大変切れの良い音です。
どうやらSOL特有の中高音の良さは16cmでも同じようです。
ここでは中高域の上昇はLCを加えて抑える方法を取っていましたが、どうもこれを入れると音楽が生き生きしな
い。 ここは順当にイコライザーなりトーン回路で中高域の上昇を抑えた方がベターかなと言う感じです。
FE168NSはQ0が0.39と必ずしも高くは無いようですがバックロード用となっています。
本機のようにバスレフでも使えないことはなさそうですが箱の容積は大きくする必要はあります。
ウーハーユニットを加えますと、流石に低域は豊かに出てきてバランスは良くなります。
音場感は鳥型のようには行きませんが、中高音の歪感の少なさはSOL特有のものかと思うものがあります。
バスレフの割には切れの良さもあり、これならばバックロードとしても聴きたくなります。
FE168NSの外観はFE168Σと言うより6N-FE168SSに近く、マグネットは2段では無くシングルとなってお
りしかも限定ユニットでは無くレギュラーユニットとして販売されるようです。
サイズはフレームがFE168EΣと同じで、取付穴サイズも同じです。
次はスーパーツィーターを加えての試聴です。
ここにはFT96Hの後継機種?の新製品のT96A-REを使っています。
FT96Hは現在はカタログ落ちですのでT96A-REには期待するところ大ですが,、どうやらこれは限定ユニット
として販売されるようです。
FT96Hはロングセラー商品でしたがフランジ付きで使い勝手の方はあまり良くなかったようです。
これを加えた音質は、SOLにはピタリと合うと言う感じで繋がりはスムーズです。
中高域ばかりか低域に与える影響も強く大変効果的に働いています。
音質的にもFT96Hよりはこちらの方が良いと感じました。
ツィーターを含めたユニットの価格はそれなりのものになりますが、それだけのものを感じます。
試聴に使った箱は12mmのコンパネでこの製作費はかなり安価に出来そうですし、出来たてと言う割にはチュー
ニングは良く取れているようでトータル的には優れたシステムと見ました。
次はバックロードで聴きたい。
専用の箱も用意されているようですのでどのようなものになっているか興味はまだまだ尽きないようです。