さて、Quad22 イコライザー のその後です。
電源部のMOSパワーFETが現在、入手が難しそうなので今後のことも考え他のものに変更することに
しました。
FETのFQPF3N90は型番からも分かるように国産では無くアメリカ合衆国の半導体メーカーの
もので、これはたまたま安かったので買っておいただけのものです。
そのようなワケで国産の現行品で高耐圧で汎用性があって、かつ安価なFETを探して見ました。
アキバで調べますと2SK3566が安価で使えそうなのでこれを採用することにしました。
本機用には余裕たっぷりで、しかもゲート保護用のツェナーが入っていて1個100円とは激安。
併せて、現状の電源のリップルをもう少し減らしたいのでフィルターを追加してみました。
変更後の回路図です。
このフィルター効果は大きくリップルは更に減少したようです。
フルボリューム時にホンの僅かに残っていたハム音が消え、真空管のみのホワイトノイズだけになりまし
た。
シールド無しのトランスでここまで行けば申し分なく大変満足です。
リップルフィルターの御利益大と言ったところです。
その他、残りの測定項目としてクロストーク特性があります。
ステレオアンプにおいては左右チャンネル間のクロストーク特性は重要なファクターです。
要するに隣Chへ信号の漏れがどれだけあるか調べるものですが、あまり測定例を見ませんが歪特性より
こちらの方が音質に与える影響は大きいと思っております。
実はこれは測定しても可聴帯域ではノイズレベルから全く変動しなかったのです。
つまり早い話が漏れが全くと言って良いほど無いのです。
右から左も左から右へも変動なしで、グラフに書いても直線一本引くだけですので省略しました。
微小ノイズの雑音は手持ちのショボイ測定器では正確には測れないのですが、漏れ信号は低域側、高域側
で上昇するのが普通ですので、これ位は測れるだろうと思ったら針が動かなかった。
これは、左右にアンプ部を完全に独立させたこと。 信号が左右に移動するような流れになっていないこ
と。 電源部のデカップリング・コンデンサを左右に振り分けていること。 ボリュームも左右に振り分
け、距離を離して取付けたこと等が主要因として考えられます。
どうもクロストークによる音の濁りはまず考えなくて良さそうです。
と言うことで、今回試聴したレコードです。
出来るだけダイナミックレンジの大きいものが良いだろうと思って探しましたら出てきました。
今は無くなりましたがアキバの第一家庭電器が企画、製作したスーパーアナログレコード、DAM「マニ
アを追い越せ!大作戦」シリーズの中の貴重な新品未開封の4枚です。 何時かは聴こうと思って保管し
てあったものを思い出しました。
これは元々、第一家庭電器のメンバーズクラブの景品で、76cm音源による45回転の重量盤の贅沢な
つくりのレコードです。
1970年代の半ばから1980年代後半まで約170枚近くのアルバムが作られたと言われますが、現
時点でも最高レベルにあるレコードです。
このシリーズでは特に、曲の進行とともに盛り上がるカラヤンの「ボレロ」を逆回転カッティングした盤
がマニアにも有名です。
これは円周の外側程ダイナミックレンジが大きく取れることから内周から溝を切ったものです。
従って、これを聴く時はレコード針を内周から置き、外側に向かって針が移動するようになります。
そう、ですのでこの手持ちのアルバムも一曲目にダイナミックレンジの大きいと言うかカッティングレベ
ルの大きい曲を持ってきてあるようです。
この種のレコードはテストレコードとして色々出回っていましたが、本盤は音楽的にも試聴に耐える内容
になっているようです。
これは機会があれば一度聴いてみると良いと思います。
ともかくレコードとは思えない静寂の中から突然響くダイナミックレンジの大きい音には圧倒されます。
カートリッジとトーンアームはそれなりのものを使うことは勿論ですが、アンプもサチらないものが必要
です。
ボーカルものはまるで録音現場に立ち会っているような音が再現されます。
今のラジカセを意識したようなポップスCDの音作りとは全く違います。
当時はこのようなレコードをレコード会社以外で、積極的に取組んで企画して作っていたことに改めて驚
かされます。