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Channel: 音楽と何でも手作りの部屋 Room314
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Quad22 イコライザー の製作 (3)

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今回のシャーシー製作用の材料が揃いました。



これを元に製作を開始しますが、出来るだけ小型でローコストなものとする予定です。




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FET電源についてどうなのかと言う話もありましたので、今回は電源部の見直しを図りました。

その前に、電源部の設計については製作コストも抑えたいのでトランスの選定をどうするかと言うのがあ

ります。


タンゴも無くなりトランスメーカーも限られてきてしまいましたが、プリアンプですのでパワーアンプ程

の電流容量も必要なく、ここは小型のもので間に合わせます。


Quad22のB電源は低めに設定されています。 耐入力の点では電圧を上げてみたいところで、当初

はそのように考えていましたが、Quadはシンプル故か絶妙なバランスで設計されているため、ここは

オリジナル通りにした方が賢明だろうと言うことでこれに従うことにしました。



そうなりますとトランスも更に小型のもので済みます。

ノイズの点では電磁シールド、ショートリング付のものがベストでノグチトランスにもありますが、東栄

にも丁度良さそうなバンド型のP-185Bがありましたのでコストの点でこちらを選びました。

これでもDC50mAも取れますから十分です。 可愛いミニパワーアンプも作れそうです。


残念ながらP-185Bはシールド無しですが、アンプのゲインを抑えたこともありトランスの配置で何

とか電磁フラックスから逃れようという算段です。

但し、こればかりはうまくいくかどうかはやってみないと分かりませんが。




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トランスの選定が済みますと、電源部の設計も進みます。

今回は上図のようにパワー MOS FETによるリップルフィルタを使った電源回路とします。


調べましたら手持ちにフェアチャイルドのFQPF3N90がありましたのでこれを使ってみます。

他にも2SK2718とか2SK3767とか使えそうなものが幾つかあります。


このFET、高温にも耐えますが放熱器は必要です。


ヒーターはオール直流点火で、これも三端子レギュレーターで簡易に済ませています。 



と言うことで、次回より製作に入っていきます。

Quad22 イコライザー の製作 (4)

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今回は基板の製作です。


ベーク板にハトメを付けたハトメ基板です。

真空管回路ではプリント基板でなくポイント・ツー・ポイントの配線で行う方が具合が良いです。


と言うことで、ベーク板をカットしてハトメを付けて主回路の基板が2枚出来ました。



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これに部品を取付けて基板裏側で結線して完成させます。




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最終的に2CH分をブロックとして完成させます。




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次回は主回路部のブロック周りの配線及び電源部の基板の製作を予定しています。

Quad22 イコライザー の製作 (5)

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今回は残りの電源基板の製作です。




これもベーク板にハトメを付けた所謂ハトメ基板です。



ベーク板をカットしてハトメを付けて電源回路の基板が2枚出来ました。





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同じく部品を取付けて基板裏側で結線して完成させます。



今回もCR類は手持ち品の流用です。




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次回は主回路部のブロック周りの完成及びケース部の一部製作までを予定しています。

Quad22 イコライザー の製作 (6)

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今回はパネル部の製作を行いました。

フレームはタカチのAE-303を使ってみました。

カットは金ノコで切断しましたが板厚がありますので結構キツイです。

高速切断機があれば良いのですが。



パネルは1.5mm厚のアルミ板です。

毎度、こちらのカットはカッターで行っています。



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1~2mm厚程度のアルミ板ですと、普通にカッターで切れます。


ここでは替刃式のアクリルカッターを使っています。

こちらの方が使い易いのですが、どちらも元々金属用ではではありませんので刃の損傷は早いです。


アルミ板の切断位置にカッターで切り込みを入れます。

1mm厚以下なら片面に深めに切り込みを入れるだけで済みますが、1.5mm厚なので両面から切り込

みを入れてあります。



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後はベンチワーク等があればこれを使いますが、無くても2枚の板材をクランプで挟んでもOKです。

切り込み位置に板材を合わせ、後は手でアルミ板を上下に少しずつ動かしてみます。

これを繰り返しますと、段々と大きく曲がるようになります。

但し、板厚のある2mmからのものはベンダーが無いと厳しいかも知れません。



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かなり曲がってきました。 

金属疲労を利用した切断方法ですが、この時点で既に切断されています。



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切断完了です。

カット面も問題なく、このままでも使えますが軽くヤスリで仕上げれば十分です。



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ベーク板も同様にカットしています。

但し、切り込みは深めに両面行わないと綺麗にはカット出来ません。


同じく板材にクランプで挟んで、こちらは木槌かプラスチックハンマーで軽く叩きます。

いとも簡単に切断出来ます。



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と言うことで、次回は基板周りの配線を行っていきます。

Quad22 イコライザー の製作 (7)

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基板整備の前に、引き続きアンプケースの製作です。


製作中の各基板をケース内に並べて仮止して取付位置の確認を行います。


今回はイコライザーとフラットアンプのみですので内部は構造的にも大変シンプルです。



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本機はボリューム付のイコライザーと言う設定ですので、フロントパネルはボリュームのツマミと電源ス

イッチのみのシンプル設計とします。



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イコライザーのEF86は一応内部シールド付ですので、オリジナルと同じくシールドソケットは使用し

ておりません。

フラットアンプの6189はゲインも低いのでシールドソケットは必ずしも必要と言うこともありませ

んが、ここでは念のため使用してみた程度のものです。

プリですので、球はノイズ、マイクロフォニック等から出来るだけ選別する必要があります。



ボリュームはチャンネル・クロストーク対策としてベルト・ドライブ式を採用しました。

テンションプーリーをベルトの真ん中辺りに付けると良いのですが今回は付けていません。 

これは後ほど適当なプーリーを見つけてから取付けることにします。




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アンプケースの両脇にはサイドウッドを取付ける予定です。

このサイドウッドは単なる装飾用だけでなくケースの強度を上げる役目を併せ持たせます。


ケースはフレームにタカチのAE-303を使用したことから、同社の完成品ケースのWOシリーズのデ

ザインとほぼ同じとなりましたので無理して自作することも無かったかも知れません。


ちなみにケースの内のり寸法は345W×260D×70Hです。

小さなMCトランスなら頑張ればまだ内蔵出来るサイズです。

また、バッファー回路を他のSRPPにしたり2段NFのフラットアンプを付けたり、あるいはトランス

出力にしたりと製作後の回路変更も自由です。

ケースをもう一回り大きく、更に基板をイコライザとバッファーに更に分けておいた方が改造時には便利

だったかも知れません。



 

Quad22 イコライザー の製作 (8)

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今回はサイドウッドの取付け及び上蓋の取付けと言うことでケースの製作、加工を完了させます。




写真はサイドウッド取付け後です。

サイドウッドの材料はDIY店で所定のサイズにカットして貰ったウォールナット材を使用しています。


塗装はオイルフィニッシュのナチュナル仕上げとしてあります。



このサイドウッドを取付けることによりケース強度がかなり上がります。


サイドウッド内側部には0.3mmのアルミ板を貼ってシールドしています。




...と言うことで、これで頑丈なケースが出来ました。



さて基板類を仮付して内部配置状態を再度確認します。

内部はこれでギリギリ位か、もう少し余裕があっても良いかも...。




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天板(カラーアルミ板)を所定サイズにカット加工の上、ケースに取付けてみます。

天板のカラーは黒の艶消し仕上げです。




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ケース正面です。

パネルのカラーはアイボリー仕上げです。



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ボリュームとスイッチだけのシンプルデザインです。



このケースの製作の難易度は見た目以上にかなり高いです。

材料のカット精度が上がればかなり違ってきますが、それなりの工具が必要となります。

ここは高速カッターが欲しい処です。 


今回はTAKACHIのWS、WOシリーズとほぼ類似デザインになりましたので市販品を利用した方が早

かったかも知れません。


自作ケースのメリットは何と言っても今後の修理が可能になることです。

パネル、フレームが損傷した場合でも部分交換修理が可能となり、いつまでも新品の状態を保つことが出

来ます。 

また、ケース再利用で中身をそっくり入れ替えて別のアンプを作ることも出来ます。

そのためにもケースは完全ノックダウン式の構造を取ることが大事です。

Quad22 イコライザー の製作 (9)

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さて、Quad22 イコライザーのその後の進捗状況ですが、取りあえず配線が終了しました。


見た目は前回と余り変わらないようですが、これでひとまず製作作業は完了となります。



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配線を再度チェックして間違いが無ければスイッチONで、素早く各部の電圧を測ります。



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今回の電源部の回路図と電圧測定結果です。



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今回の主回路図と電圧測定結果です。



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各部の電圧はほぼ当初計画通りに仕上がったようです。

供給B電圧は220Vと低めですが、イコライザーのEbbは180VとQuad22のオリジナル通りと

してあります。 回路定数もそのまんまQuad22です。


測定結果では左右Chとも大きな差も無く球のバラツキ程度のものでした。


これで入出力配線に間違いが無ければ取りあえず音出しは可能となります。




仮にテスト信号を入れてみますと正常に信号は出力されますので、まずはアンプとしては動作しているよ

うです。


パワーアンプに接続してノイズのチェックを行ってみます。


アースの引き回しが正しければ残留ノイズは最小となるはずです。





残留ノイズチェックの結果では気になるようなハムノイズは確認出来ませんでしたので、配線の大きな修

正までには至らないものと思われます。

但し、夜間ですのでもう少しレベルを上げないと詳細はまだ分かりませんが。


と言うことで、夜遅くなりましたので本日はここまでです。



さてさて、管球プリアンプはこれからが本当の勝負なのです。

コイツはそれ程甘くは無いのですよ。


次回以降はじっくりと腰を据えてランニングテスト及び諸特性の測定、調整作業に入ります。

Quad22 イコライザー の製作 (10)

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今回は雑音のチェック及び修整を行ってみました。



前回は夜遅かったので詳しく調べきれていませんでしたが、電圧も正常なことから暫く通電しノイズのチ

ェックです。 


やはりと言うかボリュームを上げますと残留雑音が目立ちます。


これは修整が必要です。


どうも誘導ノイズを拾っている感じのような音です。

初段管(EF86)で拾っているようで手を近づけますとノイズは大きくなります。

上蓋を閉めますとこのノイズも減りますが、それでも僅かですがまだ残ります。


多極管ですのである程度は予想はしてはいましたが、どうもここは順当にシールドケースが必要なようで

す。

と言うことでシールドケースを付けてみますと更にノイズは減ります。


このあたりはオリジナルと違い電源トランスを内蔵させた影響が出ているものと思われます。

しかも電磁シールド無しですから少々厳しかったかも知れません。


それにしてもトランスは初段管からかなり離した位置に取付けたつもりですが、結構拾ってくるものだと

言う印象です。

当然ながらトランスに近い方のチャンネル側の方が雑音は多くなっています。




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このままでも使えないことはありませんが、ハムノイズもありますのでもう少しこれを減らしてみます。

対策としてはアースポイントの変更があります。

アースポイントについては色々言われますが、1点アースが良いのか2点が良いのかはたまたベタアース

が良いのか、結局のところやって見なければ分からないと言うのが本当のところです。


当初は2点アースで試してみましたが、誘導を受け易そうなので多分アースがループになってここでノイ

ズを拾っているのだろうと推測してみました。


と言うことで、ここは一般的セオリーに従って1点アースに変更してみます。

結果、あっさりとピタリと止まりました。  少々、拍子抜けの感がありますが効果大です。



さて、この状態で暫くノイズの様子を見てみます。


次は球ノイズです。

やはり球ノイズも出ています。


初段管のEF86は選別して特にノイズの少ない物に差し替えてみます。

12AU7(6189)も同様にノイズの少ない物を選んでみます。


これでまた暫く通電して慣らして行きます。



再度、ノイズをチェックしてみます。

流石に今度はかなりノイズが減り、ハム雑音は消えてボリュームMAXでも十分なレベルまで下がったよ

うです。 

どうしてもトランスに近い方がノイズでは僅かに不利ですが、それでも十分ローノイズです。  



ハムに関してはこれで十分満足出来ます。



さて、次に入出力の測定を行ってみました。


まずは両CHとも予定通り正常に増幅動作しているかの確認です。




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このイコライザーは全体のゲインを約45dB(at1KHz、約180倍)で設計してあります。


これは5mVのカートリッジを使って1V程度の出力を得ることが目標です。

手持ちのパワーアンプの入力感度が1V以下ですから、これに見合うプリアンプとしてはゲインが200

倍程度のものをと言うワケです。

極力、プリのゲインを下げてローコストでローノイズなものを作ろうと言うのが狙いとなっています。



イコライザーからフラットアンプまでの入出力測定結果から、予定通り5mV入力で出力1.07Vが得

られました。


3mV入力でも出力0.66V得られていますから、この程度のゲインがあればイコライザー直結で使え

るパワーアンプもまだまだ多いかも知れません。



と言うことで、実測ゲインは入力1KHzで46.6dB(214倍)あり、両Chの差は0.3dB以

内に収まりました。


更に入力電圧を上げますと、フルボリュームで最大200mV近くまではノンクリップで出力されます。

また、この時の出力電圧は40V近くになります。

入力電圧を上げますと、まだまだ出力電圧は61Vまで上がっていきます。



次は、更にまた詳しく調べてみようかと思っています。 ではでは~♪

Quad22 イコライザー の製作 (11)

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今回は本機の諸特性について調べてみました。


まずはフラットアンプです。


フラットアンプは測定項目は少ないですが周波数特性は下図の通りとなりました。



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周波数特性は可聴帯域内では全くのフラットです。

周波数特性は高域までかなり伸びており、-1dB落ちの点でも400KHzと大変優れた特性が得られ

ました。 


左右Chとも殆ど差が無く400KHz以降は素直なダラ落ち状態を示します。

なお、ゲインは約22.6dB(約13.5倍)程ありました。


この程度ですと、余程の高感度パワーアンプに接続しない限りボリュームを絞っても残留雑音は殆ど気に

なりません。



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次にRIAA再生特性です。

中央の赤い線が偏差を示しています。

 
当然ながら低域から高域までフラットな方が良いことになります。


測定結果ではRIAA偏差は低域の20Hzでは-2.3dBの低下があり余り良くありません。

これはイコライザー素子がまだ未調整ということもありますが、もう少し精度の良い部品を選ぶ必要があ

りそうです。


但し、レコードのソリ等の超低域のノイズをカットする意味では、フィルターも付けていませんのでこの

ままでも良いかなとも思っております。


高域は素直に伸びていて何とか偏差は0.3dBの範囲内で収まっています。

測定器の誤差もありますので、それを差し引いてまずまずと言うところで納得か。


なお、ゲインは1KHzで約24dB(約16倍)程あり左右Chとも殆ど同様な結果でした。



次にイコライザー部の入出力特性です。



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1KHzの入出力特性では650mVの入力で、その時の出力電圧が約10Vほど出てきますが、これは

まだまだ入りますが波形の崩れる点を目視で判別しています。


その後も入力を加えますと、何と2000mVまで入り出力電圧も22Vを超えます。


また、高域10KHzでは2500mVまで入力が入り、その時の出力電圧が約8V程になりました。

低域、100Hzでは620mV入力で約39Vと、他の帯域より大きくなっているのが特徴です。




この入出力特性から分かりますように、Ebb180Vの低電圧としては大変立派なデーターが得られて

います。


Quad22はあの小さな筐体からは想像もつかない程の広大なダイナミックレンジを持っていることが

分かります。

1958年生まれのアンプが現在でも十分通用するスペックを持っていることにも驚かされますが、もう

Quad22のあの音の秘密はここにあると言っても過言ではないと思います。



但し、Quad22は単段イコライザーでシンプルで良いのですがゲインが低く、また出力インピーダン

スが高く、イコライザー単体では後に接続される負荷の状態によってF特性が変わると言う欠点がありま

す。

従って、この対策としてバッファーアンプが必要になり本機のような構成になるというワケです。



さて、まずまずの基本データーが得られましたので、そろそろ試聴出来る状態になってきたようです。


と言うことで、本日も遅くなってきましたのでここまでです。

Quad22 イコライザー の製作 (12)

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今回は再度ノイズの修正を行ってみました。

どうもまだまだ誘導ノイズを受け易く、当然ですがどうしてもトランスに近い方が不利になります。

作った時は気づかなくても暫くすると気になりだすのがアンプの残留ノイズです。


この辺りはトランスをケチったツケが来ているワケですが、ここは何とかノイズから逃げたいと言うこと

で対策を講じてみます。


色々、内部を調べますとトランス周辺にシールド板を設けることは効果があるようです。

L型アングルでシールドはしているものの気休め程度で、リーケージフラックスには効果は薄いと考えて

いましたが丸っきりでもなさそうです。


試しにアンプ周りを一部シールドしますとノイズは激減します。

これは上蓋を閉めた時と同じことになりますが、当然ながらシールド板がアンプ部に近い方が効果は良く

なります。


と言うことで、実際にアルミ板で初段部をシールドして見ますと具合が良いようです。


そうなると、今度はシールドする範囲です。

何とこれは初段だけでなくトランスに近いアンプ部全面に渡って影響を受けていることが分かりました。


トランスの向きはリーケージフラックスの少ない方向をアンプ側に向けていたつもりなのですが、予想以

上にフラックスが大きかったようです。


この辺りは電磁波計が無いと分かりませんが、取りあえず全面アルミ板で囲って見ました。




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この効果はかなりあり、隣のChより誘導ノイズは激減しました。

ボリュームを上げても真空管特有のサーッと言うホワイトノイズが出てくるだけです。


プリアンプのノイズレベルは微小なので手持ちの測定器では正確には測れませんが、測ってもホワイトノ

イズを測定するだけかも知れません。



さて、ノイズ対策としてはもう一つ。 シャーシーのアースがあります。

アースがどうしても不安定でたまにバリバリッとノイズが出てきて、ハムノイズも出易くなるようです。

これも良く良く調べますと、ケースのアースが不安定で繋がっていないところがありました。



これはTAKACHIの完成品のケースにも見られますが、アルマイトメッキが施されているとケース内

のアースがうまく取れないことがたまにあります。 

ここはネジ部の周りのアルマイトを削るなり、菊型ワッシャーを噛ませるなどしてネジ類を全て増締めし

てアースを確実に取ります。


修正後は安定しましたのでこれで大丈夫です。



アンプも静寂になってきますと今まで気づかなかったノイズも気になりだします。

もう少し手を加えたいところもありますが、通常の使用には問題が無いレベルにはなったようです。




と言うことで、ここで軽く仮試聴してみます。



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真空管らしいしっとりとした落ち着いた音が出てきます。

クラシック向きか、いやフォービートジャズも女性ボーカルも中々聴かせてくれます。

電源部に半導体、ICを多用した回路を用いていますが、これによって真空管の持ち味が失せることも無

いように思われます。


本機はローコスト、ローゲイン、ローノイズを目指したものですが、安価な製作費用の割にはかなりまと

もな音が出てくるようです。


ゲインにつきましては、パワーアンプの入力感度にもよりますが46dBのゲインは使い易いようです。

50dBを超え60dBからのプリアンプはもう要らないと言った感じです。

それにQuad22のイコライザーは耐入力が大きいですから、高出力カートリッジが使えてしかもその

分ノイズにも有利になります。


暫くぶりにレコードを聴きましたが、やはりアナログの音は自然に聴こえます。

この音だけ聴きますとレコードが衰退した理由が全く分からない。

日頃、CDに聴き慣らされた耳にはアナログは大変新鮮に聴こえてくるようです。


暫くこの状態で聴いてみて様子を見ながら、またRIAAカーブの修正を含めて手を加えて見る予定で

す。

Quad22 イコライザー の製作 (13)

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さて、Quad22 イコライザー のその後です。


電源部のMOSパワーFETが現在、入手が難しそうなので今後のことも考え他のものに変更することに

しました。


FETのFQPF3N90は型番からも分かるように国産では無くアメリカ合衆国の半導体メーカーの

フェアチャイルド製で、これはたまたま安かったので買っておいただけのものです。

そのようなワケで国産の現行品で高耐圧で汎用性があって、かつ安価なFETを探して見ました。


アキバで調べますと、東芝の2SK3566が安価で使えそうなのでこれを採用することにしました。

本機用には余裕たっぷりで、ゲート保護用のツェナーが入っていて1個100円とは激安。

併せて、現状の電源のリップルをもう少し減らしたいのでフィルターを追加してみました。

変更後の回路図です。



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このフィルター効果は大きくリップルは更に減少したようです。

フルボリューム時にホンの僅かに残っていたハム音が消え、真空管のみのホワイトノイズだけになりまし

た。

シールド無しのトランスでここまで行けば申し分なく大変満足です。

リップルフィルターの御利益大と言ったところです。



その他、残りの測定項目としてクロストーク特性があります。

ステレオアンプにおいては左右チャンネル間のクロストーク特性は重要なファクターです。

要するに隣Chへ信号の漏れがどれだけあるか調べるものですが、あまり測定例を見ませんが歪特性より

こちらの方が音質に与える影響は大きいと思っております。


実はこれは測定しても可聴帯域ではノイズレベルから全く変動しなかったのです。

つまり早い話が漏れが全くと言って良いほど無いのです。

右から左も左から右へも変動なしで、グラフに書いても直線一本引くだけですので省略しました。


微小ノイズの雑音は手持ちのショボイ測定器では正確には測れないのですが、漏れ信号は低域側、高域側

で上昇するのが普通ですので、これ位は測れるだろうと思ったら針が動かなかった。


これは、左右にアンプ部を完全に独立させたこと。 信号が左右に移動するような流れになっていないこ

と。 電源部の電解コンデンサを左右に振り分けていること。 ボリュームも左右に振り分け、距離を離

して取付けたこと等が主要因として考えられます。

どうもクロストークによる音の濁りはまず考えなくて良さそうです。



と言うことで、今回試聴したレコードです。

出来るだけダイナミックレンジの大きいものが良いだろうと思って探しましたら出てきました。


今は無くなりましたがアキバの第一家庭電器が企画、製作したスーパーアナログレコード、DAM「マニ

アを追い越せ!大作戦」シリーズの中の新品未開封の4枚です。 何時かは聴こうと思って保管してあっ

たものを思い出しました。


これは元々、第一家庭電器のメンバーズクラブの景品で、76cm音源による45回転の重量盤の贅沢な

つくりのレコードです。

170枚近くのアルバムが作られたと言われますが、現時点でも最高レベルにあるレコードです。


このシリーズでは特に、曲の進行とともに盛り上がるカラヤンの「ボレロ」を逆回転カッティングした盤

がマニアにも有名です。

これは円周の外側程ダイナミックレンジが大きく取れることから内周から溝を切ったものです。

従って、これを聴く時はレコード針を内周から置き、外側に向かって針が移動するようになります。


そう、ですのでこの手持ちのアルバムも一曲目にダイナミックレンジの大きいと言うかカッティングレベ

ルの大きい曲を持ってきてあるようです。



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この種のレコードはテストレコードとして色々出回っていましたが、本盤は音楽的にも試聴に耐える内容

になっているようです。


これは機会があれば一度聴いてみると良いと思います。

ともかくレコードとは思えない静寂の中から突然響くダイナミックレンジの大きい音には圧倒されます。

カートリッジとトーンアームはそれなりのものを使うことは勿論ですが、アンプもサチらないものが必要

です。

ボーカルものはまるで録音現場に立ち会っているような音が再現されます。

今のラジカセを意識したようなポップスCDの音作りとは全く違います。


当時はこのようなレコードをレコード会社以外で、積極的に取組んで企画して作っていたことに改めて驚

かされます。

Quad22 イコライザー の製作 (14)

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Quad22 イコライザーの製作も前回で終わったように思われますが、まだまだこの話には続きがあ

ります。

さすがに10回以上に渡り話も長くなりましたので、ここから先は個人の忘備録としますので番外編とし

ます。


何しろシールド無しのトランスでQuad22のイコライザーを作ろうと言う暴挙に出ましたのでそうは

簡単には問屋が卸してくれないようです。

電磁シールド付のトランス使っても似たようなことが起きますが、記事的にも読んで参考になるのは本機

の製作例の方だろうと思われます。


前回までで誘導ノイズ対策は十分と思われましたが、実はラインケーブル、フォノケーブルを接続します

と誘導ノイズがまだ出てくるのです。

これは普通に相手側の機器に問題が無ければ、製作した本機側に問題があることになります。

この手のケーブルノイズは多かれ少なかれ発生することがありますが、普通は気にならない程度で問題に

ならなかったりします。

大体、この種の原因としてはアースの引き回しに問題がある場合が多いようです。



(ACケーブルのノイズ)

今回はこのケーブル類のノイズに加え、何とACケーブルに誘導ノイズが乗ってきました。

ACケーブルの引き回しによってはかなりノイズが大きくなったり、ケーブルを束ねてみますと今度は磁

界の打消しが行われるようでノイズが減少したりして不安定です。

ノイズは無いと思っていたのはたまたまの話だったようです。


こうなるとACケーブルに2芯シールド線を使いたくなりますが、そのようなケースは見たこともありま

せんし、シールド付の電源ケーブルがあるのかどうかも知りません。


このACケーブル接続用に3Pコネクターを使っていますが、アース配線が未結線でしたので試しにこれ

を接続してみます。 こんなものでもシールド代わりになるだろうと試してみますと確かに減りますが完

全ではありません。

しかし、これから分かることは間違いなく本体側に原因があると言うことです。


そこでAC配線が怪しくなりますが、電源トランスから3Pコネクターの配線の長さは僅かに15cmし

かありません。

この僅か15cmでノイズが乗るのも不思議な気がしますが、違いがあるとすると今回はシャーシーが狭

くなったこともあっていつもと違ってAC配線の引き回しを変えていることです。


普通はシャーシーの端の方で束ねるのですが、今回はヒーター電源基板とFET電源基板の間で底板に這

わせてACケーブルを3Pコネクターに接続しました。 

こうすると最短15cmで接続出来ることと同じ電源基板ラインなので問題は無いだろうと思っておりま

したが...やはり甘かった。


試しに、いつもの通りのACケーブルの引き回し配線をケースの端で行ってみます。

底板側は狭いので上側のフレームコーナーに密着させる形でバインドで固定してみました。


すると何とこれが見事にノイズは消えるのです。

ACケーブルは勿論のこと、ラインケーブルもフォノケーブルにもノイズが乗ってきません。

どんなにケーブルの引き回しを行ってもビクともしません。


僅か15cmと舐めて掛かったのが間違いの元だったと言うワケです。 


このACノイズはFET電源基板が拾っていたものと思われます。


この僅かなACケーブルですが、更にシールド編組チューブか銅箔テープを巻いてシールドしておけば良

いと思いますが、2本のケーブルを良く撚るだけでも十分効果がありました。



プリアンプでは電源ケーブルとて甘く見てはいけないのです。



(ケースアースの不備)

それにしても誘導を受け易いことにも問題があるように思います。

そこで、もう一度ケースアースを疑ってみることにします。



シャーシーの接続部のアースがまだまだ不完全である可能性が高いと見ましたので、再度調べてみまし

た。


やはり、僅かに抵抗値を持って接続されている箇所が幾つか見つかりました。

どうしてもアルマイトメッキが施されたアルミ板は接触不良になり易いようです。

と言うことで、接続部のメッキを剥がして更に菊座金を噛ましてネジ止めを行いました。


シャーシーのどの部位も完全に接続されていることを確認し通電してチェックしますと、誘導ノイズは受

け難くなり且つ大変大人しくなりました。


これは自作ケースでは勿論ですが、完成品のケースでも稀に見られる事項です。

要するに接触部のメッキとか塗装は完全に剥がすということです。



(球ノイズ)

アンプ自体のノイズが減少してきますと、僅かなノイズも気になるようになります。

初段のEF86(6267)は最近良い物が無くなってきました。 それにつけても価格も上昇し入手の

難しい球の一つになってきたようです。


ムラードが良いとかGECが良いとか英国製の球で無ければと言う方はそれでも買うかも知れませんが、

そこまでの球とも思っておりませんので取りあえずノイズ優先で選別しています。

テスラの球も比較的良く、どれもノイズは少なくプリアンプ用として十分使えることが分かりました。


で、問題は12AU7の方です。

どうもこの球はノイズの多い物があるのであまり好きではありません。

12AU7は最初から高信頼管の6189か5814の中から選別して使うつもりでした。

幾つか取り替えてみますと、やはり12AU7よりは6189の方が良いようです。


最終的にノイズの少ないものを選んでみましたが、EF86を交換するよりこちらを交換した方が全体の

SN比は良くなるようでした。


これらの処置により前回より更に球ノイズは減り低雑音になりました。


次に手を打つところがあるとすれば各段の球のプレート負荷抵抗だろうと思いますが、これは現在まで抵

抗ノイズらしきものは確認されていませんので問題は無いと思われます。

この負荷抵抗は低ノイズの酸金やモールド抵抗を用いた方が無難です。



と言うことでノイズ対策はこれで終了となります。

もう多極管を使ったQuad22としては、この辺りが限界かなと言う感じのノイズレベルには仕上がっ

たように思います。






さてパワーアンプで「リップル」や「ハム」で苦労するという話もありましたが、これは基本的に電源部

でリップルを最少にする必要があります。 


特に直熱管を使ってシングルで超ローノイズにするのは容易ではありません。

旧来からの手法を使って「リップル」や「ハム」を何とかしようとしても限度はあります。

最近はネットを見ていましても色々と工夫されているようで面白いです。


また、アースポイントにつきましても何処にどう落としたら良いのか専門誌を読んでも不明なことも多い

です。

トランスの配置や配線の引き回し、特にアース配線が大事ですが、これらのノウハウはプリアンプの製作

の中から得られたりします。





と言うことで、以下は個人の忘備録で製作時の記録です。





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最後に、連続運転を行い異常の有無を必ず確認します。

更に各部の温度を測定して正常範囲内かどうか、長期安定動作が可能かどうかを調べておきます。

性能もそうですが、何よりも電気製品としての安全動作が第一です。



今回はFET電源があまりに具合が良かったのでパワーアンプにも応用したいと言うことで、次回は手持

ちのアンプの改造を予定しています。

Quad22 イコライザー の製作 (4)

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今回は基板の製作です。


ベーク板にハトメを付けたハトメ基板です。

真空管回路ではプリント基板でなくポイント・ツー・ポイントの配線で行う方が具合が良いです。


と言うことで、ベーク板をカットしてハトメを付けて主回路の基板が2枚出来ました。



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これに部品を取付けて基板裏側で結線して完成させます。

CR類は手持ち品の流用です。




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左右CHは完全独立型とし分離させます。

最終的に2CH分をブロックとして完成させます。




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次回は主回路部のブロック周りの配線及び電源部の基板の製作を予定しています。

Quad22 イコライザー の製作 (15)

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自作アンプにおいて音の良いダイオードとしてショットキーバリアダイオード(SBD)があります。


このショットキーバリアダイオードは高電圧が望めず真空管アンプ用には長年諦めていました。

SBDをシリーズ接続で高耐圧化したオーディオ用の製品もありますが大変高価なのです。



ところが昨年あたりから、高耐圧・大電流回路に最適な次世代半導体のSiC(シリコンカーバイド)材料

を用いたショットキーバリアダイオードが発売されたと言う情報がありました。


これは高耐圧化、高効率、ゼロリカバリ、高速・低損失、低発熱で放熱器を削減可能といった、従来のシ

リコンショットキーダイオードより優れた特徴を持っており省エネの切り札とも言われています。


オーディオ用の整流ダイオードとして使う場合、音に関係するパラメーターというのは損失より「逆回復

時間」と「逆方向漏れ電流」が大きいようです。

また電流容量の大きい物ほど低域までスピーカーをドライブする力が大きいとも言われていますが、何

分、新しいデバイスですのでまだまだ未知の部分が多いようです。


現在では数社の製品が比較的安価で購入できますが、オーディオ専用に作られた製品はまだ出回ってはい

ないようです。


と言うことで、取りあえず価格も安くなったSicSBDを購入してみました。

ロー●の製品でSCS105KGC(写真左)とSCS106AGC(写真右)です。


それぞれ、1200V・5Aと600V・6Aのダイオードです。


発熱は真空管のB電源用途では多くはありませんが、高圧タイプですのでフルモールド仕様の方が良かっ

たのですが。




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早速、前回のイコライザーにSCS106AGCを4個、ブリッジで使ってみます。



さて、使ってみた感じでは、まずノイズがはっきりと減少するのが分かります。

既にクオードタイプとしては限界と思われた程のローノイズに仕上がっていますが、何と更にノイズが下

がるのです。

まだまだ、あれでもダイオードノイズが混じっていたと言うワケです。


ノイズの質も大人しく大変静かなものになりました。

この時点で既に音質に何等かの変化が生じていることが分かります。

音楽再生時では重心が少し下がったように思われます。


現状でも音質に不満はありませんでしたが、静かになった分ボリュームが少し上げられるようになりまし

た。


オーディオは何をしても音質は変わると言いますが、これはもう少し聴きこまないと分かりませんが少な

くとも好ましい方向には変化があるようです。


SBDはヒーターの整流にも使ってみたいところです。



これに気を良くして手持ちのパワーアンプにもSCS105KGCと換装してみました。

やはり同じでノイズが下がります。 これも元々残留ノイズの少ないアンプですが、スピーカーに耳を当

ててもノイズの質も変わり大人しくなっていることが分かります。

音質はイコライザーと同じように重心が下がるように思われます。



今回のSicSBDは特にオーディオ用に開発されたものではありませんが、それでもこのように何等か

の変化が確認出来ますから、今後のSicSBDの製品に更なる期待をしたいと思っています。



さて、Sicにはまだ出回っておりませんがパワーMOSFETもあるようです。

これらでFET電源を作ったらどうなるのか、何となく期待が持てそうです。



まだまだ真空管アンプは進化しているのです。

Quad22 イコライザー の製作 (4)

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今回は基板の製作です。


ベーク板にハトメを付けたハトメ基板です。

真空管回路ではプリント基板でなくポイント・ツー・ポイントの配線で行う方が具合が良いです。


と言うことで、ベーク板をカットしてハトメを付けて主回路の基板が2枚出来ました。



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これに部品を取付けて基板裏側で結線して完成させます。

CR類は手持ち品の流用です。




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左右CHは完全独立型とし分離させます。

最終的に2CH分をブロックとして完成させます。




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次回は主回路部のブロック周りの配線及び電源部の基板の製作を予定しています。

サイテーションⅣ型 プリアンプの自作 (1)

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前回のクオード22はシンプルでユニークな回路でなかなかの音を出してくれていますが、アナログ再生

用のプリアンプにつきましてはもう一台作っておきたいと思っています。



管球式のプリアンプの名器としてマッキン、マランツ、クオードの他に知られるものにもう一つサイテー

ション(Citation)があります。


サイテーション儀燭魯罐法璽な回路の9球式プリアンプで、球数も多く且つ複雑なものですが現在でも

中古市場でたまに見かけることがあります。


また、同社の製品の中ではプリアンプのサイテーション厳燭魯ットとして売られたものですが、国内で

は販売されたかどうかと言うこともあってか中古市場ではあまり見かけることも少ないようです。 

特に本機がキットである以上、だれが作ってもキチンとその性能が保証出来るものでなければ世には出せ

ませんので、それなりの自信があってのものだろうと思われます。 


このサイテーション儀拭↓厳燭箸皀ぅ灰薀ぅ供爾錬鈎覆裡達辧檻裡瞳燭鮑陵僂靴討い襪里特徴ですが、

基本的にイコライザーはCR型が好みで、今回はキットでもあったことから再現性という点からも厳燭

方を製作してみたいと思っています。


名前こそサイテーとついていますが名器として知られるもので、今回は模倣品製作となりますのでイミテ

ーション厳燭噺世Δ海箸砲覆襪もです。





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サイテーション厳燭錬教綣阿離廛螢▲鵐廚如■鈎覆裡達辧檻裡瞳織ぅ灰薀ぅ供爾慮紊縫侫ルター、トー

ン回路及びフラットアンプの構成となっています。



上図は3段のCR-NF型イコライザー部の回路図です。


初段部は2段増幅回路のネガポジの組合せによる帰還回路となっています。 

これは正帰還を加えることによって裸利得を大きくして、ゲインの増加分だけ負帰還を多量に掛けている

ようです。

次に低インピーダンスでCRイコライザ回路に送られ、3段目はP-G帰還回路で増幅され、トーン、フ

ィルター回路に送られます。


トーン、フィルター回路は使用頻度が少ないのでこれは今回も省略しようかと考えています。


イコライザーだけ作っても良いかと思いますが、少々ゲイン不足で調整用にフラットアンプをつけてアナ

ログ専用機とする予定です。





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電源部は今回もMOSFETによるリップルフィルター回路を用います。

B回路のフィルター部は厳重にします。


ヒーターは直流点火でトランジスタによる簡易な定電圧回路としていますが、これは手持ちの部品の都合

だけの理由です。



と言うことで、今回は慌てて製作することもないのでゆっくりと進めていく予定です。

サイテーションⅣ型 プリアンプの自作 (2)

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今回、使用予定の電源トランスです。


大変懐かしいサンスイのPV-65です。 プリアンプ用に作られたショートリング及び電磁シールド付

の優れものです。

プリアンプには普通このような仕様のトランスが使われます...って、前回は少々ケチり過ぎたようで

す。

山水はトランスメーカーでもあったのでトレードマークもトランスをイメージさせるものとなっており、

頭の中では同社のトランスはタンゴに並ぶ最高のものとして焼き付いております。



シールド付ですが漏洩磁束はゼロではありませんので一応、トランスの配置は事前に考慮する必要はあり

ます。




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フラットアンプの予定回路図です。

トーン及びフィルター回路を省略しましたのでシンプルな2段NFアンプとなっています。




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バランスボリュームも省略しています。 その代り、ボリュームは前後で2段構造としSN比を稼ぐこと

にします。

本来ですと4連ボリュームを使うことになりますが、高価で入手も困難ですので前回と同じく2連ボリュ

ームをベルトドライブ式で操作させます。 併せてクロストークの減少も図ります。

これらの効果についてベルトドライブ式はかなり期待が持てます。


以上によりゲインの損失分が無くなりましたので、その分ゲインを落とす必要があり全体のゲイン見直し

及び調整を併せて行います。




今回は入力切換え回路を付けるかどうかはまだ決めていません。

前回と同じフォノ専用プリでも良いかなとも思っていますが、同じでは面白くないかとかも思ったりして

思案中。


入力切替を付ける場合は、以前製作したラインアンプに用いたリレー方式を考えています。

これは未だ接点不良が無く実に具合が良く、且つ信号ラインは最短となり信頼性の点でもプリにはうって

つけのものとなるものです。


しかし、わざわざこの為にトランスは追加したくないので、回路、使用部品等については、またゆっくり

考えてみることにしよう。

感光基板用ライトボックスの製作(1)

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感光基板の作り方としては、日光写真よろしく天気の良い日に太陽 に向けて露光させる方法があります

が、夜に作れないとか時期によって露光時間が違ったりしますので普通は蛍光灯を利用したりすることが

多いようです。

但し、蛍光灯の場合ですと小さな基板ならまだしも時間が掛かり過ぎたり、露光ムラが出来たりでいまい

ち安定しないのが欠点です。



ややこしいことに、現在市販されている感光基板は「クイックポジ感光基板」と称し、どうも以前のもの

より大幅に露光時間が短くなっているようです。 

もうこうなると、専用のライトボックスが無いと安定して露光させることは困難になってきます。
  


露光用ライトボックスは良さそうなものはまだまだ値段も高いようですし、感光基板はこれはこれで値段

もそれなりに高く、失敗すると普通の基板として使うしかなくなってしまいますので現在は使用を止めて

おりました。



そのようなことで以前もライトボックスの自作も考えましたが、これが意外と費用が掛かるようでこれも

断念と言うことで、今は感光基板方式以外にも焼き付ける方法はありますのでこれを利用することが多く

なりました。


ところが最近は状況も変わり、照明もLED化が進んでいるようで従来型のインバーター式の蛍光器具が

少なくなってこれに置き換えられて行っているようです。

それに伴い蛍光灯用の部品等が安価に入手出来るようになりましたので、今回は腰を上げて露光用ライト

ボックスを製作してみることにしました。

やはり感光基板の方が仕上がり具合は良いので、露光ボックスさえあればこちらを使いたいところです。




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露光ライトボックスと言っても10Wの蛍光灯を3本点灯させるだけのものです。


蛍光灯とソケットで1組700円以下で、インバーターユニットは秋月で1個200円で、これらを3組

使っても3000円程度で収まります。 


最低でもこれらを入れるボックスと配線材があれば完了で、後はアイデア次第と言うことになります。


今回は手持ちに制御用タイマーがありましたのでこれを利用しますが、わざわざ買うと高いものですので

オーディオタイマーでもキッチンタイマーでもあればこれを使った方が良いです。




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蛍光灯は感光基板が紫外線を利用しますのでケミカルランプFL-10BL(捕虫器用蛍光灯)を使用し

ます。


蛍光灯は2本が良いのか3本が良いのかはたまた4本が良いのかやってみないと分かりませんが、それな

りにボックスも大きくなりますのでそこは使用基板に合わせて適当にです。




さて、それではLEDではどうかと言いいますと、紫外線を出すLEDとしてUV-LEDがあるようで

す。 


実は通常のLED照明では紫外線をほとんど発しないのです。 つまり紫外線での焼け、色褪せが無く虫

も寄ってこないのです。 

そう言えばLEDのシーリングライトにしてからカバー内部に虫が入らなくなった。




UV-LEDでの実験としては面白いと思いますが、ケミカルランプでも露光時間が数分と短くランプの

寿命、光熱費でも殆ど問題になるレベルで無いので、今のところLEDでの必要は無さそうですが将来的

にはUV-LEDに置き換わって行くでしょうね。

感光基板用ライトボックスの製作(2)

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今回のライトボックスの回路図です。

特別なものでもなく普通の照明器具と同じで、FL-10Bを3灯点灯させるようにしてあるだけのもの

です。

インバーター点灯式でグローランプは使いませんので配線はかなり楽になります。



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と言うことで、写真は手持ちの有り合わせの端材で組み上げたものです。


製作は容易ですが、反射板は必要でアルミ板でもアルミ箔で良いので必ず取り付けておきます。



このままでも何らかの脚部を設けるかして、本体を逆さにして下に置いた感光基板にライトを照射すれば

露光させることが出来ます。 

しかしこのままでは光が漏れますので、適当な段ボール箱でも被せればかなり安価なライトボックスにな

るでしょう。




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実際にはライトボックスより原稿と感光基板を密着させることの方が大事で、専用のクランプを用いた方

が良かったりします。  後は工夫次第と言うところでしょうか。


完成したところで点灯テストを行います。




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問題なく点灯しました。

余程大きな基板でも作らない限り、普通に使えそうな感じです。


さて、これにタイマー回路を加えます。

これには手持ちにキッチンタイマーなりオーディオタイマーがあれば代用させると良いと思います。

感光基板用ライトボックスの製作(3)

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前回のライトボックス内部にタイマー回路を組み込んでみることにします。


タイマー回路には色々ありますが、今ならマイコンを使って秒単位までデジタル設定出来るようなものと

なりますが、今回は手持ち部品の都合でリレーとタイマーを使って昔ながらのシーケンス回路で組んでみ

ます。




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回路は特別なものでも無く、自己保持回路のリレーをオンデレィタイマーで切るだけのものです。


コントロールパネルには主電源スイッチにスタートSW、任意ストップSW、及びタイマー切り時間の設

定ダイヤルを設けてあります。 

リレーの接点が余っていましたでスイッチ動作時のLEDランプも設けてみました。



手持ち部品の都合で制御電源がDC24Vのリレーとタイマーを使いましたので、この電源が必要になっ

ています。 

これには16V、0.2A程度の小型トランスを使い整流しっぱなしの非安定化電源で供給していますが

負荷時22.5Vの電圧で、少し低めですが何とか動作電圧範囲内に収まっているようです。




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結局、本機はカバーを取り付けて上側ガラス面に感光基板と原稿を載せ、更に本等の重さのあるものを載

せて基板と原稿を密着させる方法としました。


本体カバー部は12mmのベニヤ板を用い安価に済ませています。


ガラス部はこれも安価に100均のA4フォトフレームを裏蓋を外して嵌め込んであります。

従って、露光面は約A4サイズ(279×192)となっています。

ガラスはフレームに両面テープかゴムボンドで接着しておきます。


このガラスは厚くは無いので丈夫とは言えませんが、どうもガラスはその厚さ、種類によって紫外線を透

過し難くなるようで各々その透過量も違うようです。  この辺りは紫外線計(UVメーター)等があれ

ば測定して確認することが出来ます。


普通ガラスの場合でも少し紫外線が減るようですので本来なら使わない方が良さそうですが、多少の露光

時間が延びてもここは使い勝手を優先としたいと思います。




と言うことで、ここでシーケンスチェックを行います。


まず、主電源をONとします。


ストップスイッチの上の緑のLEDが点灯します。




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一番上のスタートスイッチを押します。


スタートスイッチの上の赤のLEDが点灯と同時に緑のLEDが消灯の上、蛍光ランプが全数点灯しま

す。  インバーター式ですので瞬時点灯です。


次にタイマーが動作し始め、予め設定した時間になると自動的に蛍光ランプが消灯します。

同時に点灯していたLEDランプは赤から緑ランプに切り替わります。



タイマーはタイムアップ後、自動的にリセットされ、再度スタートスイッチを押しますと同じ動作を繰り

返します。




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ストップスイッチはタイマー動作中でも任意に蛍光ランプを消灯させることが出来ます。



ストップスイッチONの蛍光ランプ消灯時には緑のLEDランプが点灯します。


どうやら、シーケンスは正常に動作しているようです。



本機はリレーによるフェザータッチスイッチで快調に動作してとても操作し易いです。

サイズは某社の中型ライトボックスに近く、両面同時パターン焼付こそ出来ませんが基本的な部分ではほ

ぼ同じようなスペックだろうと思われます。



さて、ひとまずこれで完成となりますが、取りあえずタイマーは最大3分設定のものを使っていますが、

クイックポジ感光基板の感度が高いことから仮にこれを用いているだけのものです。

まだ手持ちにタイマーが幾つかありますので、これは露光テスト結果により交換する予定です。


【仕様】

寸法:420W×240L×112H

重量:3.8Kg  

光源:紫外線蛍光灯(FL-10BL)3本
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