前回製作しましたQUAD22のイコライザーの具合が良かったので現在の主力プリとして使っていますが、これに
気を良くしてもう一台、比較用に作ろうと言うことで今回は御馴染のマランツ#7のイコライザーを取り上げてみた
いと思います。
ところで、アンプの自作にはどうもプリ派とパワーアンプ派に分れるようで、どちらかと言うとパワーアンプ派の方
が多くおられるように思います。
当方の場合は、基本プリ派なので過去の自作例は圧倒的にプリアンプの方が多いです。
パワーアンプは作るスペックが同じだからだろうと思いますが、あまり音質の差は無いと言うか分らないと言うの
が本当のところです。
また、狭い部屋に大出力アンプの必要も無いので10W以下の小型アンプがメインになっています。
しかも普段は小音量で聴くせいか尚更、音質差が分り難くなっています。
プリアンプの場合は増幅率が大きいですから、僅かな音質の差を拡大して見せるように思います。 その為か作
ったものは一台一台音質が異なって聴こえます。 これがプリアンプ製作の一番の理由となっています。
さて、マランツ#7のイコライザーは回路的にはK-K NF型3段タイプとなります。
自作では過去に一度は作ったことはあるのですが、3段の特徴であるダイナミックレンジは大きく取れるのです
が、音質的には2段と比べてもあまり変わらないと言うか巷で言われるような高音質と言うには程遠い感じとなっ
てしまったように記憶しています。
この回路はラックスのアンプにも使われていましたが、同じくマランツ#7のような名声が現在でも残っていたかと
言うとどうもそのようには思えないし、実際に聴いてもあまり特徴が無いと言うか所謂ラックストーンと言うか少々
まったりした音のようにも聴こえます。
良く良く考えますと、昔自作したものは回路定数もオリジナルとは違っていたようで、これが原因かどうか分りま
せんが、どうもマランツの回路は大変微妙なものでは無いのかと言う疑問も未だ残っています。
そこで今回はもう少しオリジナル回路に忠実なものを作ってみようと言うワケなのです。
真空管も3本しか使いませんので製作だけなら割と容易には作れます。
とは言っても、3段のこの回路はヘタに作ると発振の恐れもあります。 この回路には発振止めとして22Pのコン
デンサが使われていますが、これがマランツの特徴ともなっているものです。
さてさて、またまた月並な音となってしまうのかどうか。 尤もオリジナルと比べることも叶いませんのでどちらに
しろ分りませんが、少しは以前と違いが感じられるのかどうかと言うのが今回の製作目的の一つでもあります。
まあ、こればかりはやってみなければ分らないと言ったところですが・・・。