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Channel: 音楽と何でも手作りの部屋 Room314
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TEAC A-6100MkⅡ オープンリールデッキ修理(2)

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さて、具体的に本機の不具合状態を調べてみます。

見た目以上に不具合個所は多いのですが、まあ年数なりのものと思って良いと思われます。



通電してみますと、VUメーターのランプは薄暗いものの点灯し、キャプスタンローラーはどうやら回っているよう

です。


テンションアームの動きは固くグリスの固着があるようです。



PLAYボタンを押してみますとピンチローラーは持ち上がりローラーも回ります。

ですが、ストップを押しても止まらない。  正確には止まる時もあるが止まらない時の方が多い。



放置して様子を見ますと今度は勝手にPLAYスイッチが入り、勝手にストップ動作を行い、更にこれ等の動作を

繰り返すようになります。


この原因は単純にコントロール回路の異常と言うことになるだろうと思われます。



更に調べますと、ピンチローラーのトルクも弱いようです。

 F・F及びF・Rの動作は正常のようですが、これもトルクが弱いようです。


これらのトルクが弱いのは進相コンデンサの劣化が進行したものだろうと思われます。





イメージ 1



と言うことで、先にコントロール基板を調べてみます。



--- ストップスイッチ部の回路に相当するトランジスタを外して調べましたが、特に異常は認められませんで

した。   念のため新規交換はしておきましたが。


それにしても、ICも使わずロジック回路をディスクリートで構成している。  当時としては良く出来た回路だわ。



奥の方に見える基板がコントロールスイッチの基板になります。

そうなりますと、単純にSTOP部のスイッチがまず怪しいということになりそうです。




イメージ 2




スイッチ基板も外して調べます。


どうやら、このSTOPスイッチだけ接点が不安定なようです。




イメージ 3



さて、電源基板にはプランジャーのリレーもついていますのでこちらも調べます。




イメージ 4




スイッチ基板は6個のマイクロスイッチが使われています。

下段の中央部がSTOPスイッチですが、やはり接点不良でダメでした。


また後で基板を外すのも面倒なのでスイッチは6個全数交換しておきました。




イメージ 5




メインのコントロール基板の動作も不安定なようですからですから、コンデンサ類は新規交換しておきました。

数は多くないのでやっておいた方が良いでしょう。




イメージ 6




この状態で電源スイッチを入れて、STOPスイッチの動作状況を確認してみます。


今度は確実にSTOP動作が決まるようになりました。


で、これで終わりにはならない。  PLAYとSTOPスイッチが勝手に繰り返す動作が治ったワケではありませ

ん。


また通電したままで暫く様子を見てみますと、やはり同じ症状を繰り返すようになります。 

更に放置すればそのまま正常に収まりますが、動作は極めて不安定です。


まあ、これ等の症状から間違いなくリレーのチャタリングが起きているものと思われます。


と言うことで該当のリレーの交換、もしくは接点の清掃を行います。





イメージ 7




ついでに古いコンデンサも交換しておきます。




電源基板の整備後再度通電して動作チェックを行ってみます。


今度は正常にスイッチ動作が出来る様になりました。


暫く様子を見ましたが何も起きませんのでチャタリングは止まったようです。



テンションアームは分解してグリスの固着を除去して正常に動作するようになりました。

メデタシメデタシと言うところですが、そうは甘くはない。


まだまだ作業は続きます。   暫くは楽しめそう?です。








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