出来上がったライトボックスは安価なベニヤで仕上げましたので、その後見栄えを考慮して塗装を行って
みました。 下がその完成写真です。
今回は自作ライトボックスを使って基板を実際に作ってみることにします。
露光テスト用の基板(100×75)が一枚残っていましたので、パターン図を基に指定のインクジェッ
トフィルムに印刷して基板を作成します。
指定のインクジェットフィルムには裏表があります。
プリンターの印刷面側と併せて間違えないようにセットし、普通紙・モノクロ・きれい設定でパターン図
を印刷します。
このインクジェットフィルムは少々値が高いので、基板のパターン精度を求めなければOHPフィルム、
トレーシングペーパー、はたまた普通紙かと言うように使い分けた方が良いかも知れません。
基本は露光時間の設定ということになります。
プリントしたフィルムをライトボック上面ガラスにセットしテープで固定します。
その上に印字面側と感光面が合うように感光基板を載せ、ガラス板の重しを載せフィルムと密着させま
す。
予めタイマー設定(105秒)がしてありますのでスタートスイッチONのみで露光が始まります。
タイムアップしましたら露光が終わりです。 ラクチン、ラクチン。
現像液は30℃、時間は40秒ですぐに現像します。
現像後はパターン図がムラなく現れます。
これを更にエッチング液に漬けて不要な銅板を除去します。
エッチング作業は塩化第二鉄溶液を保存袋等のビニール袋に入れて、その中に基板を入れて行います。
適当に袋をゆすってやればエッチングは早く終わりますが、今の季節でも20分以内には終わると思いま
す。
温度が低い場合はタッパー等にお湯を入れてこのまま湯せんしてやれば良いですが、あまりやったことは
ありません。
透明ビニールですから中身が見えますので、エッチングが終わりましたら基板を取り出し、キムワイプな
りキッチンペーパーなりティッシュ等で良く拭き取ります。
この状態ではレジスト膜がパターンに付いていますので、このまま再度露光して現像液に漬ければきれい
に除去出来ます。
袋に入った塩化第二鉄溶液は、袋の隅をハサミでカットして元の容器に戻します。
その後のビニール袋は可燃物ゴミとして廃棄します。
こうしますと、バット等の容器を使わず手を汚さずしてエッチング作業が行えて且つ廃液処理が省略出来
ます。
塩化第二鉄溶液はこうして目減り分こそ補充していますが、10年以上使っていて真っ黒になっていても
全く問題なく使えています。
廃液処理をするのは多分、電子工作を止めた時だけでしょう。
でもって、エッチングの終わった水洗い乾燥後の基板です。
感光基板の仕上がりはさすがにコストなりのものです。
0.2mm程度の細いパターンもエッチング出来ますが、エッチングを掛けすぎますとパターンが途切れ
てしまいます。
出来上がった基板のパターン面にフラックスを塗っておきます。
次に穴あけを行います。
これには毎度、小型卓上ボール盤を使用しています。
後は基板を必要サイズにカッターでカットして完成となります。
文章で書くと長く面倒な作業のように思われますが比較的短時間で簡単に終わります。
これにはライトボックスが主役となりますが、何しろ一回分の実稼働時間が数分程度のものに使うだけで
すからお世辞にもコスパが良いとは言えないかも知れません。 しかしながら作業時間短縮化、仕上が
り具合はそれなりのものがあります。
感光基板は如何にして安価にライトボックスを作るかがポイントとなります。
また副資材も高いですから、これから如何に工夫してコスパを上げるかになりそうです。