今回は出来上がったばかりのライトボックスで露光テストを行ってみます。
クイックポジ感光基板を使うのが初めての場合、露光用のテストチャートなるもので露光チェックが行え
るようになっています。
「これまで難しかった最適な露光時間を簡単に決定することが出来ます」とありますので、早速これを利
用してチェックしてみます。
その前に、クイックポジ感光基板の有効期限は一年間となっており、製造期間の経過と共に露光時間も延
びて行くため露光プロファイルなる資料が添付されております。
これは使用するライトボックスに合った、製造経過時間と露光時間の関係のグラフ(露光プロファイル)
を利用するようになっているものです。
本機の場合、自作品ですのでこれに近い機種の中型ライトボックスのデーターを参考にすることにしまし
た。
このグラフによりますと、感光基板の製造期間が2カ月未満の場合で露光時間は104秒となり、どんな
に最長でも2分程で露光が完了するようです。
と言うことで、取りあえず1分45秒でタイマーを設定して露光させてみることにします。
ライトボックスのガラス面上に露光テストチャートを乗せ、その上に感光基板を重ねます。
更に、その上にガラス板を乗せチャートと基板を密着させます。
ガラス板を乗せるのは重し代わりの他、基板のズレが目視で確認出来るからです。
でもって、タイマースイッチONです。
タイムアップ後、露光した基板をバットに入れた現像液に漬けて縦横に揺らしながら感光剤を溶かし、パ
ターンが現れたら基板を取り出し水洗いをします。
現像時間は40秒です。 また、現像液は30℃が適温のようです。
なお、露光した基板は目視でその変化は確認出来ません。
従って、タイマーで管理しない限りはこれは無理に近いです。
現像の終わった基板です。
チャートの判定は「1、2の白抜き数字が判別不能で3以上が判別できる」或いは「2、3の白抜き数字
が判別不能で4以上が判別できる」のが適正とあります。
出来上がった基板はボケも無く「1、2の白抜き数字が判別不能で3以上が判別できる」状態となって
いますので、どうやらこれは適正と判断出来そうです。
一発で露光時間が決定です。 予想通りと言うか、以前より露光時間はかなり短縮されているようです。
蛍光灯と基板の間は30mm程、間を取っていますが、ほぼ中型ライトボックスの露光プロファイルが使
えそうなことが分かりました。 これなら現状の3分間タイマーで間に合いますし、暫くこのデーター
を使って様子を見ることにします。
露光のポイントはパターン図と感光基板を密着させること、焼付け時間のテストを行い最適な時間を見つ
けることです。
また、薬品を使うので正確に扱うことです。
基板面に少し現像液の溶け込み不良らしきものが見られますので、これは今後注意することにしましょ
う。
最大露光基板サイズはこれから調べますが、周辺部は反射板を設けましたが多少明りのムラもありますの
で頑張っても150×250mm程度までだろうと思っております。
ここまで大きな基板を作成することも少ないですから実用面では全く問題は無いものと思われます。
また、密閉型のケースで通風穴も設けていませんが、このように1回当たりの露光時間が短いので発熱も
全く問題になりません。
超ローコストなライトボックスが出来上がりました。 安価な割には使い勝手もまずまずです。
これで後はエッチング作業以下、従来通りの作業で感光基板を完成させることが出来る環境が揃ったよ
うです。
このライトボックスはプリント基板の製作だけでなくシルク印刷にも使えます。 シルク印刷も紫外線を
利用したライトボックスを使っています。
シルク印刷は色々なものに印刷出来ますのでその利用範囲は広く、電子工作関係ではパネルの文字入れ等
に使えます。
その場合は、露光ムラ対策としてケミカルランプをもう一本追加を考えていますが、もう少し大きなサイ
ズで作っても良かったかなとも思っています。
何かと1台あると便利なのがこのライトボックスなのです。