アンプやエフェクター等を作っていて毎度、思うことは文字入れなのです。
パネルに文字が入ると体裁だけでなく当然ながら使い勝手も良くなります。
しかし、これには昔から色々な方法が使われてきましたがどれもイマイチで未だに満足の行くものが得ら
れていません。 どうも最終仕上げになると毎回尻込み状態で悩みの種となっています。
そのようなことからか、最近はパソコンを利用したデカールやシール系のものを貼ることが一般的に多く
なっているようです。
インスタントレタリングによる文字入れよりは良いと思いますが、耐久性ではもう一息と言うところでし
ょうか。
何と言っても一番良いのは彫刻で彫ったもので、高級感があって抜群ですが当然ながら自作は困難です。
他にはシルクスクリーン印刷が良く、金属パネルに印刷を行ってくれる処もありますが費用的にはそれな
りに掛かるようです。
調べますと、このシルクスクリーン印刷に関しましては、その道具なり材料は大きな画材店に行けば入手
は可能なことが分かりました。 つまり、自作が可能と言うワケです。
この方面に関しては全くの専門外で良く分からないことだらけですが、一般的にはこれらの材料を使って
Tシャツのプリントを行うことが良く行われているようです。
アイロン転写も良く行われますが、仕上がりとかインクの耐久性はシルクスクリーン印刷の方が良くなり
ます。
そう言えば、近所にもTシャツのプリントの工房があります。
ドアを開けていますので外からも中の様子が伺えますが間違いなくシルク印刷工房で、大きな露光機にプ
リント用のアルミの型枠が沢山並んでおりTシャツを専用刷り台(プリントボード)に入れて大量にプリ
ントしています。
Tシャツのプリントはシルク印刷が主のようです。
シルク印刷とは孔版画の技法の一種であり、インクが通過する穴とインクが通過 しないところを作るこ
とで版画の版を製版し印刷する技法のことを指します。
このインクが通過する穴とインクが通過 しないところを作るために、感光基板と同じ理屈で感光法によ
って作り出します。
これには木枠のスクリーン部に予め感光乳剤を塗布しておきます。
感光させるには太陽光による紫外線照射でも出来ますが、露光機があれば短時間に安定して出来ることも
同じです。
従いまして、露光機には前回製作しましたライトボックスが利用可能となります。
但し、元々基板用に製作したものですので大きなものの露光は出来ませんが。
と言うことで、これらの情報得てシルクスクリーン印刷をするための材料一式を新宿3丁目にある画材・
額縁の専門店「世界堂」さんで購入してきました。
なお、通販では造ハウ.COM(版画材料)、画材販売.JP等で扱っているようです。
・シルクスクリーン(テトロン#180メッシュ)
•ジアゾ感光乳剤(50ml)
•ジアゾ再生液(E)
•スキージ(プラスチック製)
・テトロン布(#180メッシュ、1m)
•ジアゾ感光乳剤(50ml)
•ジアゾ再生液(E)
•スキージ(プラスチック製)
・テトロン布(#180メッシュ、1m)
この店、1Fから6Fまで画材に関するもの文房具の類から何でも揃っており見ていて飽きない。
塩化第二鉄のエッチング液も版画材料として安価に売られていました。
シルクスクリーン枠は完成品として幾つかのサイズが売られていました。
これは型枠にシルク、実際にはテトロン布が使われていてピンと型枠に張られています。
型枠は数多く印刷するなら耐久性ではアルミ枠となりますが、アマチュアでは木枠で十分だろうと思われ
ます。
これは普通の木枠ですので自作も可能で、新規購入するよりはかなり安価になりますので手持ちのライト
ボックスに合わせて一枚製作してみました。
木枠のままですと強度不足で少し歪みが生じ易いので補強用の鉄板をコーナーに張り付けてみました。
かなり頑強になりましたのでこれで暫く使えそうです。
これにテトロン布を張るわけですが、これを「紗張り」と言ってピンと張るために少々コツと言うか工具
も必要なようです。 これには幾つかの方法がありますが、木枠はこの紗張り時のテンションにも耐える
強度が必要です。
インクには水性と油性があります。
金属用には油性だろうとは思いますが、どちらが良いか試してみないと分からないので今回は見送りまし
た。 使い易さでは水性の方が良さそうですが耐久性も考慮しなければなりません。
何しろ専門の画材屋さんですのでその種類はあまりに多く、素人には選びようも無くこれはもう少し調べ
てみる必要がありそうです。
どうも目移りし易いので次回は通販利用を考えています。
アンプ等は横長の場合の文字入れですと型枠も大きくなり露光機もこれに合わせて大きなものになります
が、手持ちのライトボックスの都合上この場合は2回に分けて印刷するようになります。
もしくは太陽光でも露光は出来ますし、数多く作ることも無いので大きい型枠のものはこれでも良いかと
思われます。
使い方はジアゾ感光乳剤が塗られた型枠スクリーン部に、OHPフィルム等に印刷した原稿を重ねて露
光させます。
露光方法はジアゾ感光乳剤の箱の中の説明書にも書かれていますが、露光時間はやはり事前にテストして
おいた方が良さそうです。
基本的な処は感光基板と同じ作業で、露光後エッチングするかインクを刷り込むかの違いだけです。
このシルクスクリーンは再生液で再生すれば何回か使えるようです。
シルクスクリーン印刷の良いところは、金属、紙、布、木、皮、ガラス、プラスチック等にも印刷出来る
ことです。
金属板に名前とか社名、ロゴを入れた表札、看板も良く見られますし、ちょっとした袋物でも印刷出来ま
すので手作りのものが既製品ぽく見えたりします。
このように応用範囲が広いので使いだすと利用率も高くなるのも特徴です。
ここでは操作パネルのシルク印刷を主体に行っていく予定ですが、操作パネルは字も小さく手で触れるこ
とが多くなるため剥げ難くしなければなりません。 また、パネル面は必ずしもフラットではありません
のでこれをどう対処するか等、課題も沢山あります。
と言うことで、暫く手探り状態でテストを繰り返すようになりそうです。