L-507のパワーアンプ部の周波数特性です。
高域は両チャンネル共 40KHz、-1dB、 超えとなっています。
右チャンネルの方が若干、高域特性は落ちていますが、これはトランジスタの劣化、Hfeの低下及びバラツキ、
他、補正コンデンサの誤差、測定時の誤差等の要因が重なっています。
特にパワートランジスタのHfeの低下と不揃いがありましたので、こちらの方が影響が大きいかも知れません。
位相補正は利いているようで、大きなピークも無くなだらかに減衰していますので発振の心配も無いでしょう。
それにしても、この時代のアンプとしては年数を考慮してもまずまずのところかも...。
1KHzのサイン波の再生波形です。
次に方形波応答波形を調べてみます。
10KHzの方形波応答波形です。
左角の丸みは超高域のダラ下がりの状態を示しており、ピークが無いことを示しています。
両チャンネルとも波形は同じです。
と言うことで、本機は問題なく安定に動作することが確認出来ました。
修理ですから、最低限の測定しか行っていませんがこれだけでも大丈夫でしょう。
視聴の結果でも、当初感じられたザラツキ、ノイズ等が消え、歪感が無くなった事がハッキリと分かります。
40年前のあのラックストーンが再現出来たようです。
普通に音楽が楽しめます。
L-507は現在でも十分通用する音が出てきます。
本機はまだまだ今後も十分使って頂けるものと思われます。