今回の6V6のアンプの回路は前から考えていたQuadⅡを模したものを考えています。
前回製作したQuad22のプリアンプは大変良い結果が得られましたので、これに組合せるパワーアンプと言うこ
とで何が良いかと考えれば、やはりここは順当にQuadⅡでは無いかと言う単純な発想からですが、シンプルに
して高NFBが安定に掛けられて且つ作り易いことが決め手となっています。
オリジナルはKT66を使ったモノアンプですが、出力はもう少し小さくても良いので予定通り6V6(5V6)で試作し
て見ることにします。
6V6用には少々感度が高いアンプとなりますが、オリジナル機の入力感度1.4Vは現在でも低めですのでここ
は1V以下となるよう設計変更を行います。
次にカソードNFをどうするかと言う話になりますが、まずはカソードNF専用の巻き線を持ったトランスも少ないこ
とから、これを使わずオーバーオールのNFのみでどうかと言う検討をまず行ってみます。
カソードNFに拘らなければ三結もしくはウルトラリニアとする案もありますが、極力オリジナルに沿った形で計画
を進めてみます。
と言うことで、主回路は下図のように決まって行きます。
使用する球は当初の予定通り6V6(5V6)とします。
ドライバー段はオリジナルはEF86(6267)ですが、現在では価格も高く入手困難になってきていますのでここ
は代替品とします。 この候補としては6BR7、6AU6が挙げられます。
特にメタル管の希望でしたから、ここは6AU6相当管の6SH7(12SH7)となります。
最近のQUADⅡ-fortyでも6SH7を使っていましたから迷わずこれに決定です。
尤もQUADⅡが最初から頭にありましたので、前段の球は6AU6か6SH7しか考えておりませんでした
が...。
手持ちの球の都合で言えば6AU6の方が良いのですが、7ピンのMT管は6AQ5と組合せた方が見た目は良さ
そうな感じにはなります。
さて、1953年生まれのQUADⅡは、かれこれ60年以上経過していますが、未だに再生産され相変わらずの高
値で販売されております。
球も大変古いものでしたが、回路もこのように古いものとなっています。
このように古いもの同士で作られておりますが、現在でも通用するアンプだと言うことは驚異的であり大変興味
深いものがあると思っております。