Quantcast
Channel: 音楽と何でも手作りの部屋 Room314
Viewing all 173 articles
Browse latest View live

JBL SE-400S の製作(1)

$
0
0
以前、70年代初期の古い国産半導体アンプを修理し、仮試聴したところ意外な程良い音が出てきてオヤッと思

ったことがある。

何分古いアンプなので、当時の部品は入手困難なものが多く代替品採用となるのだが、今となってはこの代替品

も無く更にその代替品を使うようになってしまうのはどうにも仕方ないことである。 

オーナーの方には依然と同じ音にはならないことを予め伝えて修理後引き渡したものであるが、その際に試聴に

立ち会ったところやはり今までに聴いたことのないような音が出てきて、これにはオーナーの方も驚きで大変気に

入って頂き、その後もずっと使っているとのことでした。


70年代初期のアンプと言えば所謂、純コンプリメンタリーの全段直結OCL回路が一般的であり、当時はアマチュ

アもメーカーもこぞってこの回路を採用していましたが、この回路の元になったのがJBLのアンプである。

JBLと言えば一般的にはスピーカーメーカーの印象が強いですが、個人的にはアンプメーカーとしての印象の方

が強い。

何しろ高価なアンプで当時の一般家庭で購入出来るような代物では無く、 ただ雑誌には写真と美辞麗句が並び

ベタ褒め状態ではありましたがその音も聞いたことが無ければ現物も見たことが無いという状況でした。 


前述のアンプは失礼ながら期待もしてなかっただけに意外な音が出てきたことが頭にずっと残っており、それなら

ばオリジナルのJBLのアンプはどうなのか、一度試作して検証してみたいという気になりました。



JBLのアンプで有名なのが代表的なプリメインのSA600、そのパワーアンプ部を独立させたSE400Sとプリの

SG520とがある。  さすがに50年近くの前のアンプがどうなのかと思って調べますと、今でも評価は高いよう

で中古市場でもかなり高価な金額で取引されているようです。

JBLのスピーカーにはJBLのアンプでと言うわけでジャズ喫茶店等でも使われておりますが、古いアンプなので

その維持も大変なものだろうと思う。


そこで今回はSE400Sのパワーアンプを試作してみることにしますが、この回路の特徴は・・・

1) 純コンプリメンタリーSEPP構成で、3段ダーリントン回路はT型サーキットと呼ばれていた。
2) 差動2段構成である。
3) 反転アンプ構成である。
4) 全段直結OCL回路である。

この内、SA600(SA660)、SE400S(SE408S)が反転アンプであると言うことが今では一番の特徴となるか

も知れない。

多分、現在では反転増幅型アンプは知る限り市販されては無いと思われる。

この反転増幅はオペアンプでは良く使用される回路ですが、パワーアンプにディスクリートで使われたのはJBL

のT型サーキット位かも知れない。


と言うことで、計画だけは頭の中で進行していましたが古いアンプですので部品をどうするかということで、今とな

ってはオリジナルのトランジスタも入手も限りなく不可能に近いですので、ここは無理して入手しても今後のメンテ

のこともありますので現行製品で纏めることにします。  当然ながら音は変わりますがオリジナルの音も分らず

ですので、ここでは回路の良さというか反転アンプの特徴位は出せるのではないかと期待している。  


そうこうしている内に使えそうな古い電源トランスとジャンクの放熱器が入手出来ましたので早速製作に掛りまし

た。


基板は感光基板を使いましたのでパターンの設計以外は楽に出来ました。

これを放熱器に取付けてパワーユニットとして一体化させました。




イメージ 1



ケースはどうするかと言うのがありますが、試作ですので市販のボンネットケースを使って安直に済ませました。

半導体アンプは穴明け箇所も少ないのでシャーシー加工は比較的楽です。



イメージ 2



シャーシー加工後、一部部品を載せてみました。


今回はオリジナルに無い回路としてスピーカーの保護回路を設けてある。

音質への影響を考えて保護回路を省略することもありますが、要するに気になるならスピーカー破損の危険を承

知することですが、ここでは僅かな音質の差より安全を取ったということだけです。






FE83-Sol  バックロードホン(1)

$
0
0
昨年、自作スピーカー用に購入しておいた限定ユニットの 「FE83-Sol」 です。


小型の8cmユニットですが、このサイズの中高音部の音が好みで普段聴くには最適なものなのです。

サイズからして重低音までは望めませんが、うまく低い方を延ばせればバランスの良い音が期待出来そうです。


小型のフルレンジは大型システムに無い自然な再生音が得られますので、本年は暫くぶりに小型システムを製

作予定です。  と言いながら、昨年からユニットを購入後は放置状態でしたのでこれを復活させます。


FE83-Solの箱はバスレフでもイケますが、限定ユニットでもありここはバックロードで纏めてみたいと考えてお

ります。




イメージ 1



と言うことで、板材の購入はこちらの東京の新木場駅前の WOOD SHOPの 「もくもく」 までやってきました。




イメージ 2



世界中から集めた約100種類の木材を扱っており、小売りもしてくれますので材料は毎度こちらで調達していま

す。

店内は好きな人には見ているだけでも飽きないほどでもうたまりません。  

何しろ楽器用の材料まであるしで、銘木は何でも調達出来そうです。 


そのようなことですから、材料見廻していますと次の製作品に使ってみたいものがゾロゾロ見つかってこれがキリ

が無くなります。



とりあえず、材料を注文しておきましたので着次第加工に入ろうかと思っております。





YAMAHA F100-112 ギターアンプの修理(2)

$
0
0

今回はパワーアンプ部の基板の点検からです。


点検結果・・・・・本基板は外観点検から特に異常は見られません。


次にパワートランジスタのチェックを行ってみます。


年数なりの劣化はあるもののまだまだ使えるレベルでしたので、このまま引き続き使っていきます。

他のトランジスタについても劣化、焼損も無くまだまだ使えることが分りました。


総じて、故障個所らしきものは見当たりませんでしたが一応コンデンサ類は全数交換しておきます。




イメージ 1




基板の裏面です。

半田盛りの少ないところ亀裂のあるところは全て補修しておきます。




イメージ 2



パワートランジスタはマイカを交換の上、再取り付けします。



イメージ 3



コンデンサ類交換後です。



イメージ 4




次は電源基板の点検です。

一番、損焼し易いツインダイオード(S515、S515R)の点検を行います。

ヒューズも飛んでいないので問題は無さそうですが、どうやら調べても正常でした。

他のトランジスタ類も問題なくまだまだ使えそうです。


ここのコンデンサ類も経年劣化がありますので全数交換します。





イメージ 5



コンデンサ類の交換後です。



イメージ 6




さて、どうやらパワーアンプ部は大きな異常は見当たらずここまでで正常に動作しそうです。

こうなりますと、このギターアンプはプリアンプの方に問題がありそうに思われます。


と言うことで、次回はプリアンプを中心に整備を行って行く予定です。



JBL SE-400S の製作(2)

$
0
0

今回は加工が終わったシャーシー本体に部品を仮付けして加工寸法の調整を行います。



配線はパワーブロックを含めまだ未処置です。


保護回路のリレーはシャーシー上面に設置しました。

このリレーはリレーソケットで固定していますので交換は容易に行えます。

また、入力関係は前面側に持ってきました。




イメージ 1



シャーシーの背面側です。

ボンネットケースはMK-350でサイズ的には余裕はあります。


どうやら部品の相互干渉も無く配置的には問題無さそうです。


本機の電源トランスはジャンク品ですので詳細は不明ですが、どうやら電圧がSA600が少し高めのようですが

ほぼ同容量程度のものだろうと思われます。



イメージ 2



ボンネットを被せたところです。



イメージ 3



ボンネットも問題無く被せられますので、部品類は最終的にこれで正式に取付を行っていきます。



スピーカーリレーは電源ONから約3秒後に働き、電源OFFで同時に遮断される設計ですのでスピーカーにはシ

ョックノイズは出ないことになります。  また、出力端子にDC0.6Vから超えますとリレーが働きスピーカーが保

護される設計としています。


次回は配線を中心に作業を行っていく予定です。




YAMAHA F100-112 ギターアンプの修理(3)

$
0
0
今回はパワーアンプ部の整備が終わりましたので、取りあえず通電して動作チェックを行います。


各部の電圧をチェックして異常が無ければ、次にスピーカー端子にDC漏れが無いことを確認して破損しても良い

ようなオンボロスピーカーを繋いでおきます。

入力ジャックにギターを接続して電源ONで音出しをして見ます。

----ボリュームを上げますとどうやら音は出てくるようです。


しかしながら、各摘みを操作しますと凄まじいガリ音が発生しており、その度にスピーカーのコーン紙が大きく前

後に動き出します。



成程ね。 これがスピーカーが破損した理由のようだワ。  耐入力150Wからのスピーカーが通常の演奏で焼

損するのは容易なことではありませんから、これでプリ部は全面整備ということになります。



と言うことで、プリ部の基板をシャシーから外します。

次に基板の外観点検を行います。




イメージ 1



プリ部の右下基板に割れが生じています。



イメージ 2



基板割れ部のパターンが切断されていましたのでジャンパー線で接続し直します。



イメージ 3



基板上のコンデンサ、トランジスタを新規交換しておきます。



イメージ 4



交換後、基板を元の状態に戻します。

更に、パターン面の半田不良箇所を肉盛りしておきます。



イメージ 5



再度、通電して音出しテストを行います。

まだ、ボリューム類にガリがあれば軽く接点復活剤を使うことで復旧します。


ギターの音だしテストの結果、どうやらこれで正常に動作するようになったようです。

更に、各コントロール関係の摘みの動作が詳細にチェックを行っておきます。



ちなみに、出力を測定しますとノンクリップで110Wから出てきますので、間違いなく100Wのアンプと言って良

いと思われます。  また、正常に波形も観測されましたのでアンプ部はこれで修理完了とします。






YAMAHA F100-112 ギターアンプの修理(4)

$
0
0

今回の修理のメインはスピーカーです。


ボイスコイルが内部で焼損していますので、ここは新規交換となります。

今となってはオリジナルのJA3062も入手が難しいので市販のものから選ぶことにします。

耐入力の大きな好みのスピーカーとしましてはEMINENCEのTONKERがあります。

これならば音質的にも期待出来そうです。




イメージ 1



ということで、入手しましたTONKERです。



イメージ 2



スピーカーの取付ねじのピッチはインチサイズですから、当然ながら元の同じ位置には取付出来ません。


ここはスピーカーの取付位置をずらしまして爪付きナットで固定するようにしました。

但し、このナットはかなり正確に付けないとスピーカーのネジ穴と合わなくなりますが。




イメージ 3



と言うことで、スピーカーの取付が完了しました。



イメージ 4



スピーカーの配線を繋ぎ直して復旧させます。

次にリバーブタンクも再取り付けして復旧させておきます。



イメージ 5



ついでにツマミも交換して作業は全て完了しました。



イメージ 6



それでは、ギターを繋いで電源ONで試奏してみます。


ノイズも無くリバーブを含む全てのコントロール系は正常に動作します。

音質も悪くないです。  個人的にはジャズコより良いと思う。

これならスタジオへ持って行って大音量で鳴らしてみたい。 


どうやら、かなりイケるのでは無いかと思う位に復旧が出来たようなので元のオーナー様に返送致しました。

FE83-Sol  バックロードホン(2)

$
0
0
8cmのバックロードと言うことで今回はスワン型を製作予定です。


長岡式バックロードでは著名ですので今更と言うことでもありませんが、実際には試聴した方も少なく話しのネタ

程度のものになっているのが実情かと思われます。


このスワン型には幾つか種類がありますが、8cmではフラミンゴが良く知られています。

スワン型はどちらかと言うと広い部屋用で、床面積が意外と大きく、後面開放型ですので背後の壁との距離等で

音質が変わります。  また左右のスピーカー間が広い方が持ち味が生かせそうなスピーカーです。

フラミンゴは基本的にスワンと同じ設計思想で作られていますので、小型になったとは言えやはりセッティングは

広い部屋の方が有利そうなスピーカーです。


調べますと、8cm用にフラミンゴより床面積が狭く前面開放型の「カイツブリ」というものがありましたので、今回

はこれを追試してみたいと思っております。

要するに、小型でバッフル最小の点音源の良さというものを体感して見たいというのが今回の主目的となります。



イメージ 1


 
今回使用するカット材が届きました。

材料もカットして貰えますし使用材料も少ないですから製作そのものは容易です。


スピーカーは作ることには全く問題ないのですが、問題は置き場所なのです。  作り始めたら最後、部屋の中は

直ぐにスピーカーの箱だらけになってしまいます。

アンプも作りだすと似たようなことがおきますがスピーカー程ではない。  ですので、もう大きなスピーカーは作り

たくは無く、音場感の優れた小型のシステムがあれば由としたいというワケなのですよ。




FE83-Sol バックロードホン 「カイツブリ」 (3)

$
0
0
カイツブリの製作に入ります。

まずは音道の製作から。



イメージ 1



音道の中央部にはデッドスペースがあります。



イメージ 2


今回はデッドスペースにジルコンサンドを入れます。

・・・と言うことで入手したジルコンサンドです。



イメージ 3

ジルコンサンド:

オーストラリア、南アフリカが2大生産地である天然鉱石。
主成分………Zro₂…65%  Sio₂…約35%
「融点が高い」「比重が大きい」「硬い」と言う特徴があり、鋳物砂としても使われます。


嵩(かさ)比重は約2.7位あり、写真の4L瓶で9.4kg程あり大変重たいです。
スピーカー及びスピーカースタンド等の充填剤として具合が良さそうです。





Suhr Riot の自作(1)

$
0
0

久しぶりにエフェクターネタです。


今回はSuhrのハイゲインディストーションのRiotです。

ハイエンドギターで知られるSuhrですがエフェクターもなかなかのものを作っています。

但し、やたら高いのが難点ですが・・・。


そんな中で最近はC国製の類似品が安価で出回っていますが、果たしてどんなものでしょうか。


何しろオリジナルのSuhrはディストーションにしてはお高いですから、ここは自作でとなりますがC国製があまり

に安価ですので自作のメリットすら薄れてしまいます。  


まあ、Riotの回路図を見ましても特殊な部品は使われておりませんし、手持ちの部品もかなり流用出来ますこと

から順当に自作の方向で進めてみたいと思います。   


但し、部品ゼロからですとC国製であることに拘らなければ買った方が安いかも知れません。 

どうやら自作も多難な時代がやってきたようです。


・・・・と言うことで基板を作ってみます。

パターン図もありましたので感光基板で作ってみました。

次に穴明け加工後、部品を取り付けてあっさりと基板を完成させます。




イメージ 1



ケースはオリジナルより小さめですので作り難いかも知れません。

ケース穴あけ加工後、部品を仮配置させてみます。


どうやら寸法的にはギリギリと言った感じのようです。



イメージ 2



ケースに外装部品を取り付けてみます。



イメージ 3



やはり、ケースはもう少し大きくても良かったかも知れないです。


これはこれでコンパクトで良さそうなので、後はこのまま配線を間違いなく済ませれば無調整でOKとなります。



FE83-Sol バックロードホン 「カイツブリ」 (4)

$
0
0
今回は本体部の組立です。


カイツブリの音道は3つの部屋に分れているため高い工作及び精度が要求されます。

この部分で寸法のズレが僅かでも生じますとその修正にはかなり手間が掛るか最悪、ズレたまま修正不可となっ

てしまいます。

特に側面板、天板、底板を取付た時に隙間、もしくは直角が出ない等の無いように仮止め時にチェック、修正を

行っておきます。


また、音道部で音漏れが無いようキッチリとクランプ、ハタ金等で締め付けてボンドで接着します。

更に、釘もしくは木ねじを併用すればかなり強固なものになります。




イメージ 1



上面から内部を見てみます。


組立後、寸法に狂いが無いか念入りにチェックします。



イメージ 2



スワン系のスピーカーはバックロードの中でも内部構造が複雑ですのでどうしても工作難易度は上がります。

ですので、工作道具は金槌一本で作ろうとしてもそれは無理ですよ。


さて、この本体部二組分をここまで作って今回は取りあえず終了です。






FE83-Sol バックロードホン 「カイツブリ」 (5)

$
0
0
前回の続きです。


本体部に側板、底板を取付けて完成させます。

これを2台分作ります。  



イメージ 1



並行してスロートの組立を行っておきます。



イメージ 2



割とスンナリと組立が完了しました。

ここは寸法精度、特に直角がうまくだせないと組立の修正にはてかなりてこずることになります。



カイツブリは8cmスピーカーとしてはかなり大きいです。

フラミンゴよりはスリムですが、この時点で重量を量りますと9.4kg/台 ありました。

本体部にはジルコンサンドを充填しますので更に約+4kg以上が加わることになりヘビー級となります。


さて、ここまで組立が出来ますと残りの作業は僅かなものとなります。

と言うことで、本日はここまでで終了です。






FE83-Sol バックロードホン 「カイツブリ」 (6)

$
0
0
今回はヘッド部の組立です。


ヘッド部の底板をスロート部に取り付けておきます。

これを2組分行いまして、並行してヘッド部の組立を行っておきます。



イメージ 1



ヘッド部の組立後です。

これを2組分用意します。



イメージ 2



ヘッド部をスロート部に仮付けしてみます。



イメージ 3



仮付け後、問題無ければヘッド部後方にスピーカー端子を取付て最終的にスロート及びヘッド部の組立を完了さ

せます。






FE83-Sol バックロードホン 「カイツブリ」 (7)

$
0
0

今回は天板の穴開け加工及びスロート部の取付です。



イメージ 1



天板の穴明け加工後、スロート及びヘッド部を取付ます。




FE83-Sol バックロードホン 「カイツブリ」 (8)

$
0
0
カイツブリの製作も終盤に入りました。


今回はスロート及びヘッド部を本体ボディ部に取付けることにします。


取付後の状態です(写真参照)。



イメージ 1



取付後に前面部にハカマを取付けて、キャビネットの組立はこれで完了となります。


・・・と、まあ文章で書けばこれだけのことですが、前述の通りボディ内部の組立が正確に組立てられていないと

側板、天板をピタリと付けることが出来ません。  定盤もありませんがスコヤを使って出来るだけ直角となるよう

組み立てることです。

また、ホーン部の音漏れの原因となりますので隙間のチェック及び修正は必須となります。


これらはカットの精度もそうですが、スワン型特有の製作難易度はカイツブリについても同様となります。



さて、残りはキャビネット仕上げとスピーカーユニットの取付のみです。


ボディ部の上部にはデッドスペースの開口部があり、ここからジルコンサンドを入れる予定です。

ついでにこの開口部の蓋も作っておきます。



組み上がってみますとカイツブリはスリムで、8cmユニット用としてはサイズ的に意外と大きく重たいです。

この状態で重量は10.5Kg/台ありました。  最終的に砂を入れて15Kg位にはなりそうです。


このサイズにしてこの重量、何となく期待が持てそうな雰囲気になってきたようです。






FE83-Sol バックロードホン 「カイツブリ」 (9)

$
0
0
その後、デッドスペースにジルコンサンドを詰めて見ました。

エンクロージャーは400番のペーパーとウレタン塗料の透明艶消し仕上げとしました。


後はユニット及びスピーカー端子を取り付けて作業は終了となります。

ヘッド部は後々のことを考えて脱着式のネジ止としておきました。


これで最終的に総重量は15.4Kg/台となり、8cmスピーカーとしてはかなりのヘビー級となったようです。 




イメージ 1



さて、全ての作業が終了しますと気になる音出しとなります。

取りあえず、ここで聴き慣れているソースを軽く再生してみます。


一聴して意外だったのは、フォステクス特有の鳴らし始めのガサガサ、ゴソゴソ感が少ないことです。

中高音は紙臭さの無い、割と歪感の少ない音だと感じました。  この辺りがSolの特徴なのかも知れません。


このままでも聴けそうですが、やはり低域は固いと言うか出ていないと言うか中高音の方が勝って聴こえます。

これはエージングでどうにかなりそうなので暫く一日中鳴らしっぱなしにしておきます。


翌日、再生してみますと低域の固さが少し取れたようで中高域との繋がりが少し良くなったようです。

試しに約60Hzからの信号の入ったパイプオルガンの音を出して見ます。

さすがに60Hzの信号は振幅も大きくなり8cmでは少々きつい動作となります。

ですが、何と60Hzの音は現時点でも音楽成分としてしっかりと普通に聴こえてきます。  

50Hz以上は音楽成分として聴こえるとありましたが、あながちこれは嘘では無いようです。


しかし、良く聴くと右側からバタバタと異音が聴こえて、さすがにこれは無理があったかと思いましたがなぜか左

側は何ともない。  モノ信号なので片側のみが異常なことはアンプの故障以外有り得ないはずだが・・・。

ケーブルでもコーン紙に接触したのかと思い、後でスピーカーユニットを外して調べるか・・・と、ハタと瞬間そこで

気が付いた。  そう言えば右側に吸音材入れるのを忘れていた。


そうか、あの音は定在波の影響か・・・。 

と言うことで、吸音材をヘッド部に入れて再チェックしますと見事にこれが消えましたので、当然ながら吸音材は

必須と言うことになります。


その後、ウッドベースでの再生チェックを行いますと中々の重厚な低音で、ブラインドで聴いたらとても8cmのス

ピーカーから出てくる音と思う方は・・・多分いないだろうと思う位の圧倒されるものだった。

しかしながら、低域のボンつきも多少感じられましたので、ここで特注オーディオボード(黒御影石 12Kg/台)を

使ってみました。

この効果は大きく音が締まってきました。  基本的にカイツブリはバックロード特有の癖は少ないようです。


中高域につきましてはエージング前から良好な音質で、ストリングスは8cmならではのものがあり大変綺麗に再

生します。


スワンタイプのバッフル最小の点音源の音は噂通り音場は広く感じます。

スピーカー間の距離は少し広めに取った方が良いかも知れません。


カイツブリはコスパも優れており作り得な感じはしますが、床面積は小さくなっているとは言え8cmシステムとして

はかなり大きいです。  音的には10cmタイプのスワンはどうなのかとつい欲が出てきますが、六畳からの狭い

部屋にはここまでで10cmタイプは多分、サイズがデカ過ぎて不向きかも・・・ね。


さて、もう少しエージングが進んだらどうなるか、どうやら先が楽しみなスピーカーとなったようです。








6V6pp(5V6pp) QuadⅡType アンプの製作 (15)

$
0
0
さて、QUADⅡ Typeアンプのその後です。


このアンプは音は良かったのですがマイクロフォニックノイズが酷く、ボンネットを軽く叩いてもボンボンと響きだし

ます。  こうなると大きな音を出そうものなら設置場所も考えないとハウリングの心配も出てきます。


6SH7の球のバラつきもあろうかと取り替えてみますと、今度はヒーターノイズが目立ち始めます。 

ヒーターノイズのバラつきも大きく選別しなければならずで、しかもマイクロフォニックは相変わらずの状態です。 

ヒーターノイズだけならヒーターの直流点火で対処出来ますがマイクロフォニックまでは無理です。 
 

そのようなことで本機は暫く放置状態でしたが、ある時6SH7の規格表を良く良く見ますと "The6SH7 inot

recommended for use as a high-gain audio amplifier, becauseundesirable hum may be encount

ered."  「望ましくないハムが発生することがあので、6SH7は高ゲインオーディオアンプとして

は推薦されません」と言う一文に目が入りました。

まあ、横文字までは良く見ませんので・・・・どうやら肝心なことをうっかり見落としていたようで

す。


6SH7は元々オーディオ用の球ではありませんが「QUADⅡ forty」で6SH7を採用して

いたので大丈夫だろうとそのまま採用してみましたが、ハムもそうですがマイクロフォニックの方が酷

く、KT88より感度の高い6V6には不向きだっうです。  

しかもオリジナルは20dBからのNFが掛っているはずですから多分問題無いのでしょう。

と言うことで、6SH7の使用を断念しまして他の球に交換することにします。  


候補としては順当にはEF86(6267)と言うことになりますが、相変わらず他の球から見れば価格も高く改めて4

本揃えるのも少々きついので、今回は6SH7とほぼ同等品の6AU6にて設計変更してみることにします。

この球もヒーターノイズのバラつきが大きいのでく選別の必要はあります。  

ここでは選別するよりはヒーターの直流点火を検討した方がコスト的にはEF86より安価で済みますので最初か

らこれで進めます。


と言うことで、その後6AU6に換装したのが下記の写真です。

ついでに5V6がバラ球でペアのバランスも良くなかったので手持ちの6V6に変更しています。

6V6は旧ソ連製の軍球の6n6c(6P6S)です。  音は悪くは無さそうです。





イメージ 3



6AU6の変更に伴い主回路の変更も行います。



イメージ 1


電源部の回路です。


イメージ 2



変更回路で諸特性の測定を行ってみます。


基本的には前作と同じような測定結果になるはずですが、6AU6は6SH7とは厳密には同等ではありませんの

でゲイン等、多少の差が出てきます。


QUADのアンプは一見シンプルですが実に複雑な動作をして、一つでも部品なり定数を変更しますと全体のバラ

ンスが崩れてきてACバランスの再調整が必要になります。  この辺りは実に巧妙な回路なのです。




6V6pp(5V6pp) QuadⅡType アンプの製作 (16)

$
0
0
改造後の測定結果です。


まずは入出力特性からです。

カソードNF後の裸ゲインは約34.5dB程ありました。  前作より約3dB程低くなっています。

これに今回はオーバーオールのNFBを12.3dB程掛けて見ますと、約0.74Vでノンクリップ11Wの出力が得

られました。  


カソードNFには約4.1dB程掛っていますので、実質 12.3dB+4.1dB=16.7dB 程のNFBが掛っている

ことになります。

カソードNFの御利益によりDFは 約5 (at1KHz) となりましたが、NF量も少ないのでオリジナルの20には遠く

及びません。


前回のアンプが少し高感度でしたのでこれ位で丁度良いかと思われます。

なお、最大出力は14W程になりました。



残留雑音は0.2mV(補正無し)以下となりました。 これ位になりますと高能率スピーカーでも耳に近付けない

限りハム音は聴こえなくなります。  このことからもハム音はヒーターノイズが主成分であったことが分ります。


マイクロフォニックも減少しましたので本機は大変静寂なアンプとなりました。



イメージ 1


次に周波数特性です。

高域は70KHz(-1dB)まで伸びており、かなりワイドレンジです。  



イメージ 2




10KHzでの方形波テストでは、ほんの僅かにオーバーシュートが見られます。

ダミー抵抗を外して0.47μFのみの負荷の時が一番暴れてリンギング気味ですが発振に至る程のものではあ

りません。   基本的には前作と似たような感じなので写真は省略しますが安定はしているようです。



と言うことで、細かい調整は今後も行いますが取りあえず測定が終わったところで仮試聴してみます。


前作でも感じたことですが、共通していて大変耳に優しい音が出てきます。

クラシック向けと言うか癖の無い音で、ビーム管で良く言われるビーム臭が全く感じられません。

6V6は音の良い球として知られますが、黙って聞いていたらビーム管であることはまず分らないかもです。


最近作ったバックロードホーンの「カイツブリ」との相性も良く、音場感の優れた再生音を聴かせてくれます。

特に弦の響きは美しくホール感も良く出てきます。


本機にはレコード再生用として以前製作したQUAD22タイプのプリアンプと組合わせます。

このプリとの組合わせは大変具合良く、半導体アンプ並みの超ローノイズなシステムとなりました。 




イメージ 3



それにしても、並べてみるとオリジナルのQUADのアンプはかなりコンパクトに作られていたことが分ります。


ここではプリに電源部を内蔵させ、独立型のプリアンプに仕立てたところがミソとなっていますが...。




イメージ 4



そのようなことで、これから我が家の主力機として稼働させていく予定です。


次回、製作する真空管パワーアンプがあるとすれば、またQUADタイプかなと思わせる程のお気に入りのアンプ

となりました。



明けましておめでとうございます

$
0
0
明けまして
 おめでとうございます

イメージ 1



       今年も宜しくお願い致します

            

アンプ用エッチングプレートの自作

$
0
0
今回はアンプの銘板(エッチングプレート)を製作してみます。

自作アンプと言えども銘板が取付されますと、それなりに見栄えがするものです。


雑誌などの製作例には良く見掛けますが、これを特注として専門業者に製作依頼しますと意外と高価なものにな

ります。  ですので、アマチュアのアンプに使われることも少ないですが、自作も可能とあればこれをやらない手

はありません。


エッチングプレートの一般的な製作方法にはアイロン転写方式が良く使われているようです。

これはプリント基板製作でも比較的手軽に作れますので多く使われていますが、この応用版と言ったものになり

ます。  従いまして、プリント基板が作れるならエッチングプレートも作れると言うことになります。

製作方法は他のサイトでも紹介されていますので製作の際には参考になると思います。



しかし、銘版の仕上がりの点では感光剤を用いた方式の方が良くなります。

ここではポジ感光剤が入手出来ましたので、露光器を使った方法でエッチングプレートを製作してみたいと思いま

す。


塩化第二鉄溶液を使ってエッチング出来る材料は銅板、真鍮板、ステンレス板がありますが、アルミは不可で

す。  と言うことで、銘板に良く使われる真鍮板を使って自作アンプ用の銘板の試作を行ってみます。


真鍮板はホームセンター等で入手出来ます一般的なものを使います。

銘板用に板厚0.5mm(100×30)のものを所要寸法にカットして使います。



イメージ 1



カットされた板材にポジ感光剤を塗布します。

1.板材は皮脂、埃、錆などがあれば除去します。  
2.埃を嫌いますので極力、埃の少ない環境で塗布燥作業を行います。 
3.乾燥は光の当たらない場所で乾燥させますが、この際も埃の少ない場所を選びます。
4.塗りすぎの場合、板材の縁に感光剤がたまり易くなりますので綿棒で縁をなぞるように吸い取ります。
5.乾燥後、2時間程で感光出来ますが、150度のオーブンで5分程度プリベークしますと良い結果が得られま   す。  ドライヤーの熱風でもOKです。




イメージ 2




次に、予め製作した原稿を用意します。

エッチング用のインクジェット用のフィルムシートもしくはOHPシートを使いモノクロ印刷しますが、その際白黒反

転画像とし更に鏡面印刷として板材の感光面に印刷面と密着させるようにします。


印刷されたフィルムは露光器の上面にセロテープ等で固定しておきます。




イメージ 3




感光用の真鍮板を原稿の上にのせガラス板をのせて密着させます。

露光時間は基板面から10cm程はなした27Wの蛍光灯で10分程が目安のようです。

本自作露光器では約9分程で適正露光となりました。




イメージ 4



露光が終わりましたら現像を行います。

現像材はサン●ヤトのものも使えますが、付属の現像材1グラムをぬるま湯100ccで溶かして使います。


ここから先は一般的なプリント基板を作る方法と変わりまりませんので、詳細は本ブログのライトボックスの製作

にも書かれている内容を御参照下さい。




イメージ 5



真鍮板材の裏面にはマスキングテープを貼るか、露光材を塗っておくかしてマスキングしておきます。

板材の側面側にも同じようにマスキングしておきます。



使用するエッチング液は画材店等で売られている塩化第二鉄溶液を使っています。

こちらの方が安価ですが普通に全く問題なく使えます。





イメージ 6




エッチング時間はエッチング液の温度との関係もありますが、この時期の常温で3~4時間位掛けて文字を深く

彫るようにします。


下記写真のものが出来あがった状態です。  

これはエッチング時間を4時間と長く取りましたので多少虫食いが出ているようです。 

また感光剤の塗布ムラやゴミ付着あったりしても仕上がりに影響を与えてきます。

特にエッチング時間は幾つか試して適正な時間を決めていく必要はあります。




イメージ 7



銘板の文字部にラッカー塗料を塗り込みます。

これにはタッチアップ用黒の筆付き「ちょっと塗りPAINT」を使っています。


塗料乾燥後、板材表面をひたすら研磨します。

最後はコンパウンドもしくは金属磨きで表面を仕上げます。


錆止めにクリアーラッカーをスプレーして乾燥させこれを完成させます。




イメージ 8



出来あがった銘板をアンプに取り付けてみます(写真参照)。

取付方法は普通にビス止めでOKですが、試作品ですので両面テープで止めてあります。




イメージ 9



試作品としてはまずまずかと言うところですが、製作にはコツがありますので後は数をこなして慣れていくしかな

いようです。


エッチングプレートは応用範囲が広くアンプの銘板の他、機械の銘板、表札や鉄道模型等色々なものに利用され

ますので一つ覚えておくと便利かも知れません。





小型高速切断機

$
0
0

アンプケース製作用に小型高速切断機を購入しました。

以前、自作したQUAD22プリアンプケースの加工精度がもう一息といった感じで手仕上げの限界を感じました

ので、今回は高速切断機を使って再度、アンプケースの製作を行ってみようと言うワケです。



高速切断機とは主に長物の鋼管やアングル板を切断する時に用いられる電動工具で、高速で回転する切断砥

石もしくはチップソーに材料を押しつけるだけで切断出来るため作業が短時間で済み、切断面もキレイで正確な

直角面が得られる特徴があるものです。  




イメージ 1




購入したものは業務用では無くホームユースのDIY用ですが、アルミ材の切断が主なものになりますのでこれで

十分だろうと言うことで小型の比較的安価なものを選んでみました。


付属のチップソーの外形は165mmですが、本機の最大切断能力は、鋼管ならφ48.6、角パイプなら40×40

mmまでとあります。

某C国製ですが、これでもチップソーが付いていますのでスパッと切れるのではないかと期待しているワケなので

す。


通常は鋼材切断が主になるものなので切断時には火花が散り、更に切り粉も飛散しますのでゴーグル、革手袋

等の保護具の装着が必要となります。



と言うことで、実際にアルミのアングル及び引き抜き材の2mm以上の板厚のあるものを切断してみました。




イメージ 2




結果は予想以上にスパッと切れました。   

これだけのものを金ノコで手仕上げで切断していたら大変なことになりますが、いとも簡単に短時間で作業終了と

なりました。 


材料がアルミですので火花が飛び散ることはありませんでしたが、切り粉はかなり周囲に飛散しますので出来た

ら飛散防止カバーがあれば良いかも知れません。  

これは暇な時に簡易なものを自作すれば済みそうですので後ほど試してみることにします。


肝心の切断精度と切断面はどうかと言いますと、直角も出ており切断面は多少バリは出てきますがまずまずと言

ったところです。




イメージ 3




工作物の定規ストッパーが付いていると良いのですが、そこは価格なりと言ったところです。

その他、バイスの耐久性も少々不安がありますが角度を付けた切断も出来るのも具合が良いです。 

総合的には業務ユースでも無いのでまあ使えると言うか大丈夫だろうとは思っています。



本機は切断歯を交換すれば木材も切れます。

但し、丸のこのようにスライドして切るワケではなく歯の上下運動だけですので切断能力は切断歯の外形寸法に

依存することになります。



高速切断機は一般家庭では粗大ごみの処理用に物干し竿とかスチール棚を切断するとか位にしか用途は無い

ので出番は少ないかも知れませんが、DIY用としてなら用途は広くなりかなり使えるものだと思われます。




Viewing all 173 articles
Browse latest View live