主回路の直流配分の修正を行いました。
その後、多極管接続で色々調整を試してみましたが、初段の球のノイズが大きいこと及び当然ながら感度が上
がっていますのでオリジナルのように高NFBを掛けるには流石に不安定ですので、ここは断念しまして順当にカ
ソードNFを掛けることにしました。
やはりQUAD型は出力管に何らかの局部帰還を掛けた方が良さそうです。
カソードNFはノイズに対しても有利で、5結に比べて約2倍のグリッド励振電圧が必要ですが5V6はKT66より
は感度が高いので問題にはなりません。
なお、カソードNFを掛ける前の裸ゲインは約41.5dB(119倍)程ありました。
また、出力管は6V6ではなく5V6を使いましたが、これらはバラ球で購入したものにも拘らず上下の球は大変良
く揃っておりました。
DCアンバランスも1.5mA以内でしたので十分です。
電源部は思っている以上にB電圧が低かったのでタップを変えてB電圧の調整を行いました。
無信号時の総電流は約160mAでトランスの定格220mAに対し余裕は十分です。
下のグラフはカソードNFを掛けた状態での入出力特性です。
LEFTchのみを示していますが、RIGHTchとの差は0.2dB程で良く揃っている方です。
ゲインは約37.4dB(74倍)程ありますので、カソードNFとしましては約4.1dB程掛かっていることになりま
す。
最大出力は約13Wあります。 これ以上は入力を増やしてももう出力は上がりません。
なお、この時の入力感度は約0.2Vとなります。
カソードNFのみでの周波数特性です。
非常に素直なカマボコ型の特性となっています。
これを見ますと高域はともかく低域の落ち込みが少し大きいようです。
QUAD型の特性に出力トランスの特性が加わったものと見ていますが、次回はこれにオーバーオールのNFBを
掛けてみることにします。