その後、デッドスペースにジルコンサンドを詰めて見ました。
エンクロージャーは400番のペーパーとウレタン塗料の透明艶消し仕上げとしました。
後はユニット及びスピーカー端子を取り付けて作業は終了となります。
ヘッド部は後々のことを考えて脱着式のネジ止としておきました。
これで最終的に総重量は15.4Kg/台となり、8cmスピーカーとしてはかなりのヘビー級となったようです。
さて、全ての作業が終了しますと気になる音出しとなります。
取りあえず、ここで聴き慣れているソースを軽く再生してみます。
一聴して意外だったのは、フォステクス特有の鳴らし始めのガサガサ、ゴソゴソ感が少ないことです。
中高音は紙臭さの無い、割と歪感の少ない音だと感じました。 この辺りがSolの特徴なのかも知れません。
このままでも聴けそうですが、やはり低域は固いと言うか出ていないと言うか中高音の方が勝って聴こえます。
これはエージングでどうにかなりそうなので暫く一日中鳴らしっぱなしにしておきます。
翌日、再生してみますと低域の固さが少し取れたようで中高域との繋がりが少し良くなったようです。
試しに約60Hzからの信号の入ったパイプオルガンの音を出して見ます。
さすがに60Hzの信号は振幅も大きくなり8cmでは少々きつい動作となります。
ですが、何と60Hzの音は現時点でも音楽成分としてしっかりと普通に聴こえてきます。
50Hz以上は音楽成分として聴こえるとありましたが、あながちこれは嘘では無いようです。
しかし、良く聴くと右側からバタバタと異音が聴こえて、さすがにこれは無理があったかと思いましたがなぜか左
側は何ともない。 モノ信号なので片側のみが異常なことはアンプの故障以外有り得ないはずだが・・・。
ケーブルでもコーン紙に接触したのかと思い、後でスピーカーユニットを外して調べるか・・・と、ハタと瞬間そこで
気が付いた。 そう言えば右側に吸音材入れるのを忘れていた。
そうか、あの音は定在波の影響か・・・。
と言うことで、吸音材をヘッド部に入れて再チェックしますと見事にこれが消えましたので、当然ながら吸音材は
必須と言うことになります。
その後、ウッドベースでの再生チェックを行いますと中々の重厚な低音で、ブラインドで聴いたらとても8cmのス
ピーカーから出てくる音と思う方は・・・多分いないだろうと思う位の圧倒されるものだった。
しかしながら、低域のボンつきも多少感じられましたので、ここで特注オーディオボード(黒御影石 12Kg/台)を
使ってみました。
この効果は大きく音が締まってきました。 基本的にカイツブリはバックロード特有の癖は少ないようです。
中高域につきましてはエージング前から良好な音質で、ストリングスは8cmならではのものがあり大変綺麗に再
生します。
スワンタイプのバッフル最小の点音源の音は噂通り音場は広く感じます。
スピーカー間の距離は少し広めに取った方が良いかも知れません。
カイツブリはコスパも優れており作り得な感じはしますが、床面積は小さくなっているとは言え8cmシステムとして
はかなり大きいです。 音的には10cmタイプのスワンはどうなのかとつい欲が出てきますが、六畳からの狭い
部屋にはここまでで10cmタイプは多分、サイズがデカ過ぎて不向きかも・・・ね。
さて、もう少しエージングが進んだらどうなるか、どうやら先が楽しみなスピーカーとなったようです。