今回は本機の諸特性について調べてみました。
まずはフラットアンプです。
フラットアンプは測定項目は少ないですが周波数特性は下図の通りとなりました。
周波数特性は可聴帯域内では全くのフラットです。
周波数特性は高域までかなり伸びており、-1dB落ちの点でも400KHzと大変優れた特性が得られ
ました。
左右Chとも殆ど差が無く400KHz以降は素直なダラ落ち状態を示します。
なお、ゲインは約22.6dB(約13.5倍)程ありました。
この程度ですと、余程の高感度パワーアンプに接続しない限りボリュームを絞っても残留雑音は殆ど気に
なりません。
次にRIAA再生特性です。
中央の赤い線が偏差を示しています。
当然ながら低域から高域までフラットな方が良いことになります。
測定結果ではRIAA偏差は低域の20Hzでは-2.3dBの低下があり余り良くありません。
これはイコライザー素子がまだ未調整ということもありますが、もう少し精度の良い部品を選ぶ必要があ
りそうです。
但し、レコードのソリ等の超低域のノイズをカットする意味では、フィルターも付けていませんのでこの
ままでも良いかなとも思っております。
高域は素直に伸びていて何とか偏差は0.3dBの範囲内で収まっています。
測定器の誤差もありますので、それを差し引いてまずまずと言うところで納得か。
なお、ゲインは1KHzで約24dB(約16倍)程あり左右Chとも殆ど同様な結果でした。
次にイコライザー部の入出力特性です。
1KHzの入出力特性では650mVの入力で、その時の出力電圧が約10Vほど出てきますが、これは
まだまだ入りますが波形の崩れる点を目視で判別しています。
その後も入力を加えますと、何と2000mVまで入り出力電圧も22Vを超えます。
また、高域10KHzでは2500mVまで入力が入り、その時の出力電圧が約8V程になりました。
低域、100Hzでは620mV入力で約39Vと、他の帯域より大きくなっているのが特徴です。
この入出力特性から分かりますように、Ebb180Vの低電圧としては大変立派なデーターが得られて
います。
Quad22はあの小さな筐体からは想像もつかない程の広大なダイナミックレンジを持っていることが
分かります。
1958年生まれのアンプが現在でも十分通用するスペックを持っていることにも驚かされますが、もう
Quad22のあの音の秘密はここにあると言っても過言ではないと思います。
但し、Quad22は単段イコライザーでシンプルで良いのですがゲインが低く、また出力インピーダン
スが高く、イコライザー単体では後に接続される負荷の状態によってF特性が変わると言う欠点がありま
す。
従って、この対策としてバッファーアンプが必要になり本機のような構成になるというワケです。
さて、まずまずの基本データーが得られましたので、そろそろ試聴出来る状態になってきたようです。
と言うことで、本日も遅くなってきましたのでここまでです。